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そんな感じなんだ。 7

「ふう美味しかったぁ」 店を出ると、篠田は満足そうに呟いている。 橋名はこの数時間でだいぶ彼に惹かれていたのだが、彼がDomかどうかなんてそもそも分からないし それ以前に恋人やパートナーがいるかもと思うとなんと誘って良いものかと思ってしまう。 橋名はさっきまであんなに調子に乗っていたのに、急にこれまでの過去のことを思い出し憂鬱になってしまった。 結局また同じような事を繰り返して、中途半端に欲求を満たしギリギリ死なずにいられるみたいな そんな状態を一生続けるのだろうか、と。 「……橋名くん?大丈夫?」 篠田が不思議そうにこちらを見上げてくる。 眼鏡の向こうの瞳は店先のライトに照らされキラキラと輝いていて、橋名は思わず苦笑した。 「あの…突然だったのに、付き合ってくれてありがとうございました…」 「うん。俺こそありがとう、誘ってくれて。 こういうとこって1人じゃ絶対来ないもんね」 「…それで…えっと…」 それでも別れを切り出すのは惜しい気がしている。 どう言うべきかと悩んでいる橋名をじっと見つめ、やがて彼は困ったように眉を下げた。 「うーん、橋名くん。 帰りたいと思ってるか、それともその逆か、どっち?」 「え……」 篠田は考えるように顎の下に手を置いている。 「勘違いだったらすっごい恥ずかしいんだけど、 橋名くんって多分…Subだよね? だから、俺のこと“いいな”ってそういう意味だったりするのかなぁーって?」 急に鋭い事を言い出す篠田に橋名はドキドキ心臓を高鳴らせながら、うまく呼吸が出来ずにいた。
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