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そんな感じなんだ。 8
「あ、えと、あの、そうです、そういう意味です…」
「やっぱそうなんだ」
「なので、帰りたいの逆です……」
「はは、素直だなぁ」
篠田は困ったように笑って、また少し考えるように首を傾けた。
「うーん。そっかぁ、まあでも君がいいなら俺は全然いいよ?」
「え、えっと…?」
「行く?ホテル」
予期せぬ事態に橋名は頭がショートしかけていたが、
昨晩の不完全燃焼の事もあり暴走しかけた欲求が無意識に首を縦に振らせていて
ふらふらと歩きだす彼の後をついていった。
今までの経験の記憶が、そんなにうまくいくわけない、と囁いてくるのだけれど
それ以上に目の前の彼がどんな風に命令してくれるんだろうという期待の方が大きかった。
「あの…篠田さん…なんで俺がSubってわかったんすか…?」
「ん。なんとなくね、ものほしそーな顔してるからさ」
「ええ…まじすか…?」
「ふふ。だから変なのって思って。橋名くんモテそうなのに」
篠田はそう言いながら振り返って、へんなの、ともう一度言って笑った。
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