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いい子だね。 2
「そうだね、じゃあここに座ってごらん」
言われるまま、橋名はベッドの真ん中に正座をして彼と向き合った。
「ちょっと上向いて…、そう、上手だね」
篠田は優しい手つきで橋名のネクタイを解き始めて、心臓が飛び跳ね始める。
さっき盗み見ていた白くて細い指が、丁寧に結び目を解いて
やがてシャツのボタンを外し始める。
「あの…サナギさん…」
「んーじっとしてて?」
「う…はい」
今まではほとんど命令により自分でやらされてきたので、なんだか妙に恥ずかしくて
それでも嬉しいような不思議な感覚に苛まれ、橋名は布団を握りしめて耐えていた。
ボタンを外し終えると、そっとシャツを脱がされる。
「下も脱ごっか?」
彼はそう言いながらまた同じようにゆっくりとベルトを外して、スラックスも脱がせると
篠田はまた頭を撫でてくれた。
「うん。よしよし。おりこうだったね」
両手で頭を抱きしめるように撫でられて、橋名はますますと頭がぼうっとなってしまい
なんだかほわほわしているような気さえした。
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