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ちゃんと捕まえとけ? 5

「あの、サナギさん……?」 「んー?」 「…れ、連絡先…教えてください…」 渾身の力を振り絞って伝えた言葉を受け、彼は押し黙ってしまって 橋名はどこか泣きそうになりながらもその瞳を見つめていた。 有澤にも捕まえておけと言われたのに、彼を前にすると今の自分にできる精一杯がこんなことで。 必死に目で訴えていると、やがて彼は噴き出した。 「ふっ、はは、あははは」 けらけらと笑い始める彼に、橋名はどうしていいかわからず だけれどその笑顔に胸がきゅんきゅんと締め付けられて思わず観察してしまうのだった。 「なんで…笑うんですか…」 「ごめんごめん…っ、 あーもう、橋名くん可愛すぎてさぁ… 全く、しょうがないなぁ」 彼はそう言いながらスーツのポケットに手を突っ込んで携帯端末を取り出した。 そして放心していた橋名の前で携帯端末を振ってみせる。 「おーい橋名くん?要らんのかね?」 「い、要ります!お願いします!」 橋名は慌てて自分の携帯端末を取り出すのだった。
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