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生き辛いよね 6
「ごめん…、その、橋名くんが嫌とかじゃないよ?
なんていうか、俺には勿体無いというか、
橋名くんだったらもっと良い人見つけられるから…」
「良い人って誰ですか…?俺にはサナギさん以上なんて考えられない」
「あの一回でそれを判断するのは早いって」
「俺のどこがダメですか?いや、ダメなとこばっかしかないか…」
「いやだから…」
「だったら、直せるように努力します!
サナギさんに見てもらえるように!ダメですか!?」
橋名はようやく得意のガンガン押す戦法を繰り出せたわけだが、
彼は戸惑っているように後退りしていく。
構わずに橋名は追いかけていって、ボードウィークの手すりまで逃げてきた沙凪を捕まえた。
「俺は確かに、Subにしてはデカくて、可愛くないかもしれないけど
沙凪さんを幸せにできるように、頑張りますから…!」
彼の肩を掴みながら懇願するようにその瞳を覗き込んだ。
沙凪はどこか顔を赤くしながら、橋名を見上げていて
そんな風に見つめられると、身体が熱くなっていくようだった。
「あ…、えと…どうしよ……めっちゃ告られてる…?はは…」
「サナギさん…」
「わ、ちょっと、まって…」
橋名は構わず彼の唇を奪おうとした。
「す、“Stop”!!!」
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