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片付いてる 5
「ッ…わ、!?」
どうやら彼はスナック菓子の袋を爆発させたらしく目を丸くしたままパラパラと舞っていく菓子の屑を浴びていた。
「ご、ごめん……」
「……はは、あははは!何やってるんすか!」
橋名は思わず笑ってしまいながらも、テーブルの上を片付け始める。
「うう…ごめんねぇ…」
「大丈夫ですよ」
放心している彼の手から袋を奪い、菓子屑を集めて
床に散らばった屑もティッシュなどで軽く掃除しておいた。
「ありがと…橋名くん、
なんか、こんなこともできないって…きっと呆れちゃうよね…」
橋名は別にそんなことは全く思わず
寧ろ可愛らしいポイントに加点されただけの事だったが
どこか顔を赤くしている沙凪に、あんまり笑ってはいけないかと笑いを堪えつつ
彼の髪についていた菓子屑を取ってあげた。
「そんなことないっすよ、大丈夫です。
なんか、開けてほしいのがあったら俺に持ってきてください」
「…えぇ…?ほんと…?」
「はい、勿論です」
少ししゅんとなっている彼に
本当に、なんていうか。放っておけない人だな、と思ってしまう。
「…橋名くんは、そういうところ良いところでもあって
よくないところなのかも…」
彼の言葉に、先日のデートで乱入されたことを思い出してしまう。
幸いあれから彼女からはなんのアクションも無く、出会ったマッチングアプリもアンインストールしてしまったのだが
そもそもは自分に原因があるのだというのは自覚しておかねばならないだろう。
「すみません…なんていうか、俺、相手には尽くしたいのに
ぐいぐい来られるのは苦手みたいで…」
「あー。まあねえ、Domって、頑張んなきゃって思ってる人多いからなぁ…」
沙凪は比較的無事だった菓子を口に運びながらそう呟いた。
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