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聞いてあげるからさ 1

「………橋名くん?」 彼に名前を呼ばれると、ピンと背筋が伸びて 呼吸も鼓動も乱され、ただただ彼のことで頭がいっぱいで その口から命令が下されるのを待ってしまっていた。 あちゃー、と沙凪は頭を掻きながら、やがてこちらへやってくると 橋名の頬に膝を充ててくる。 「そんなに俺に苛められたいんだぁ、橋名くんは」 橋名は、はぁ、と熱い吐息を吐き出しながら彼を見上げる。 口を歪めて微笑んでいる彼の美しい顔にますます身体が甘く痺れていった。 彼の膝に顎を持ち上げられるようにされて、自分の心臓の音が煩いほど爆音で鳴っていた。 「さな、ぎさん…、さなぎさん…」 居た堪れなくて自分の胸を抑えるように服を鷲掴みにしながら 彼を呼ぶことしかできなくて。 口を開くと唾液が溢れてしまって、それでもそれを拭うことも出来なかった。 「はは、そんなやばい顔して誘ってさぁ どうなっても知らないよ?」 沙凪はそう言いながら自分のネクタイを緩め始める。 顎の下にあった膝がそっと離れて、足先が橋名の腕に触れた。 「ほら手退けて、足開いて」 橋名は言われるままに正座の状態から膝を開いて、服を掴んでいた手は所在なさげに床へと下ろした。 彼の美しい素足が胸を撫で下ろして、やがて足の間の中心へと辿り着くと 絶妙な力加減で撫でられる。 既に熱を集めつつあった中心は服の上から撫でられただけであっという間に硬くなっていってしまう。

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