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聞いてあげるからさ 11

唇を離しても、唾液と涙でどろどろになった沙凪にまたおかしな気を起こしそうで それでも、しまった、という気持ちがギリギリで勝り彼の頬を指先で拭った。 理性が吹っ飛んで大暴走してしまっていた。 「ごめん、なさい…サナギさん…」 沙凪は肩で呼吸をしながらも、どこかぼうっとして滲んだ瞳で橋名を見上げてくる。 「ん…、橋名くん…ぎゅーって…して…?」 ぐったりとなっている彼にそうお願いされ、橋名は彼の身体を抱き締めた。 「よし、よし……いいこ…だね……」 彼はそう言いながら、橋名の頭を撫でてきて こんなに暴走してしまった自分をそんな風に受け止めてくれる彼にじわっと視界が滲んだ。 「サナギさん…」 橋名は彼の細い身体を強く抱き締めた。 やがて頭を撫でていた彼の手がだらりと力を無くし、身体を離すとどうやら沙凪は気を失ったようだった。 申し訳なさと、感謝と、彼への愛しさがぐちゃぐちゃになって その身体をベッドに横たえ、彼の瞼に口付けた。 この人のためになんでもしてあげたい。 そんな感情に、もしかすると欲望に、 取り憑かれてしまいながらも彼の頬を撫で続けるのであった。
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