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どうしたいか 9
下から、だけどどこか高圧的に見つめられると散々放置された身体が騒ぎ出す。
橋名は衝動的に彼の唇を奪った。
柔らかくて、いい匂いがして、思考を奪い去っていくような彼という存在全部を感じたかった。
口付けていると、彼の両足が腰に巻き付いてくる。
「ほしい…よぅ…、はしなくん…」
強請るようなその声に支配されて、橋名は服を脱ぎ捨て
痛いくらい張り詰めていた欲望を彼の蕾へと押し充てた。
「サナギさん…、好きです…」
「う…ん…、っ、ぁ…」
ずっとずっと繋がりたくて、持て余していた全身が彼を求めている。
ナカへ押し入って、根元まで楔を飲み込ませるとそれだけで果ててしまいそうなくらい欲望が彼を感じていた。
「あ、ァ…っ、あ」
揺さぶる度に溢れる沙凪の声は脳に響いて、その声を聞く度に
もっと彼を喜ばせたくなってしまう。
ネクタイもシャツも結局そのままになっていて、付けっぱなしの眼鏡も顔から少しズレている。
外してあげたかったけど全然余裕がなくて、橋名は唇を噛み締めながら律動を早めていく。
「っ…ぁ、は、はし…、なくん…」
彼の手がそわそわとこちらに伸びてきて、橋名はその手を掴んで指を絡めシーツに縫い留めた。
「すき…すきです…」
めちゃくちゃに彼のナカを抉りながら、顔を近付けて唇にキスを落とし、ちゅ、ちゅ、と軽く口付ける。
レンズ越しの瞳はとろんと潤んでいてそれを見つめながら譫言のように、すき、と繰り返してしまう。
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