120 / 145
世間話 3
友達として彼の事は大事だった。
なんでも出来る癖にどこか自分を崇拝してくれていそうな彼が可愛く思えていたし、
真面目で面倒見がいい彼に頼ってしまっていた時だってある。
同じDomだし、ある意味気を張る必要がなかったのもあったからかもしれないけど。
「橋名くんはね…見た目よりもずっと大らかで何でも受け入れがちなタイプっていうか。
で…忍耐強いし、ちゃんと芯もあるしっかりさんなの。
分かるでしょ?あのキョウカさんと仕事してるんだよ?」
橋名は背も高くて雰囲気もどちらかと言えば華やかで目立つようなタイプだが、意外と純真で素朴な性質で
その割に簡単に曲がらない自分を持っている。
それは少し、由紀にも似ている気がした。
「だからゆきくんが心配しなくても大丈夫。
ちゃんと俺のこと怒ってって言ってあるから」
「…なんか…丸くなったなお前…」
「あ…分かるぅ?最近ちょっと太っちゃったかも」
橋名の栄養満点ご飯の所為かもしれないが、沙凪は自分の頬に触れながらも口を尖らせた。
「…そうやって笑ってくれてるんならいい」
「……ゆきくん」
「ありがとう。あいつも喜ぶよ。
最近……お前には申し訳なかったってぼやいてたから…」
由紀はどこかホッとしたように微笑んでいて、彼らは彼らなりに色々とあるのだろうと察する。
二人でいるという事はなかなか一筋縄では行かないのだろう。
ダイナミクスに加えて男女の関係で、家族になって子どもも増えるなんて自分では混乱しそうな難題である。
橋名との事だってまだ、ちゃんと形になっていないような気さえするのに。
ともだちにシェアしよう!