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灯台下暗し 2

「サナギさんは可愛いけど…結構しっかりした人というか… 全然物怖じしないしめっちゃ芯があるし…力も意外と強いし…お酒も強いし…」 「なんでそんなこと知ってんの?」 つい沙凪の事を語ってしまうと、有澤にじとっと見つめられ 橋名はつい両手で顔を覆ってしまった。 めちゃくちゃ顔が熱くなっているのを感じてしまう。 「お?…は?まじ?まさか?」 「い…言わないで…誰にも…」 「マジかよ〜〜!!」 察しのいいニュートラル男の有澤は、何故か嬉しそうに飛び上がって顔を近付けてくる。 「もしかして“お好み焼きの人”って篠田さん!?」 彼の中で謎のあだ名がついていた橋名の理想のヒトの正体を言い当てられ、橋名は両手で顔を覆ったまま何も言えずにいるのだった。 「灯台下暗しってやつだなぁ… すげー近くに居たんじゃん?はっしーの運命のヒトは…」 「うう…あんま言うなって…だから…」 「えーでもよかったじゃん!好きになれる人が見つかってさー」 「笑わない…?」 「なんで笑う必要あんだよー。 はっしーが大こじらせしてんのはずっと見てきたからさ、普通に応援するぞい?」 相変わらず良い友達すぎる有澤に、橋名は指の隙間から彼を見つめた。 「ありがとうぅ…有澤…おめえ良いやつだなぁ…」 「だろー?今度なんか奢れよ?」 話聞いてやっからさ!と有澤はにこにこしている。 二人は話しながらもエレベーターに乗り込んで、ようやく帰宅することができる。 会社にはもうほとんど人が残っていないようだ。

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