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デザート 2
「橋名くんは眼鏡の俺の方がすき?」
沙凪はテーブルの上の頬杖をつきながら彼に投げかけてみる。
わかりやすく目を泳がせている橋名には思わずにこにこしてしまう。
「ど…どっちも好きです…でも…」
「でも?」
「眼鏡のないサナギさんは…なんか…眩しすぎるというか…
見慣れてないからかもしれないけど…
き…綺麗すぎるから…ちょっと困ります……」
「そうなの?」
首を傾けると彼はこくこくと頷いている。
彼には自分は一体どう見えているのだろう。
ニヤついてるだらしない変なおじさんだと思われていても仕方がないとは思うけど。
だけど普段はキリッとしているその顔が、切なげに歪んでいるのを見るとなんだか妙な気持ちになってしまう。
ぎゅっとしたくなるような、だけど焦りのような、複雑な感情で。
「…でも、わざわざ来てくれて嬉しかったです」
「…なんかちゃんと話せなかったなぁって思って」
「すみません…俺困らせてますよね」
「そういうわけじゃないよ。俺が橋名くんに会いたかっただけ
会えなくても、お家に突撃しようかな?って思ってたもん」
「え…そう…なんですか?」
「だめだった?」
「いやいや、大歓迎です…!」
昼間の件について、橋名が大暴走をするような事は無いとは思うけど
若干前科があるような気がするので、あんまり傷付けたままにしておきたくなかったのだ。
橋名はやっぱりどこか疲れたような顔をしていて、大変なんだろうなと察してあげる事しかできない。
それはやっぱり、自分の所為でもあるのかもしれないけど。
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