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デザート 3
「でも…今日は本当に大変だったね?早速噂になってたし…」
「まぁ…しょうがないです…
また来週本部の人が来るらしいので、同じことが起こらないようにしないと…」
彼はため息を溢しながら少し肩を落としている。
揉め事が苦手な沙凪は上手いこと争いは避けているし、そもそも何かを情熱的に主張したいほど仕事に熱を入れてはいなかったが
彼の部署は性質柄そういうわけにもいかないのだろう。
「そっかぁ。じゃあ一刻も早く帰って寝たいよね」
沙凪はそう言って笑顔を浮かべ、椅子の背もたれに掛けていたリュックを手に取った。
「ごめんね…橋名くん、お疲れの所俺のわがままに付き合ってもらっちゃって。
ここは俺に出させてね?」
「え、えっと…でも…」
「いつもお弁当も頂いちゃってるしー」
そう言いながら沙凪はさっさと伝票を持ってレジに向かった。
橋名は追いかけてきたけど、遅くまで開いているチェーン店のスピード重視なレジはあっという間に会計が終わってしまう。
「ご…ごちそうさまでした…」
「ふふ。遠慮しないで。
今日頑張った橋名くんへの労いも込めて!」
会計が済めば長居は無用なのでさっさと店の外へと出る。
人通りは少ないというわけでは無かったが、活気は薄れていて平日の遅い時間という空気だった。
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