133 / 145

デザート 5

「違った?」 「ちが…違わないです…」 「ふふ。俺なんかぁデザート食べたいなぁ?」 沙凪は彼の顎の下をくすぐるように指先で撫で、上目遣いで彼を見つめた。 「コンビニ寄ってってもいーい?」 「も、もちろんです!行きましょう!」 橋名は急に元気よく沙凪の腕を引っ張って歩き出した。 相手の欲求を先回りして、 もっとちゃんと考えて、 そんな事が苦手だとわかっていながらも 大事にしたかったから一生懸命立ち回ってきたつもりだった。 それがDomとしての責務だと言わんばかりに。 守らなきゃと、思っていた。 だけど彼を前にするとどうも、自分の欲求がつい前に出てしまっているような気さえする。 なんだか彼に、甘えさせてもらっているような。 しっかりと手を握ってくれているその大きな掌も、その背中も、 歩幅を合わせてくれている事も、様子を見るように時々振り返って微笑んでくれる事も。 全部全部、守ってもらっているみたいに思えて それがすごく、嬉しくてたまらない。
0
いいね
0
萌えた
0
切ない
0
エロい
0
尊い
リアクションとは?
コメント

ともだちにシェアしよう!