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デザート 5
「違った?」
「ちが…違わないです…」
「ふふ。俺なんかぁデザート食べたいなぁ?」
沙凪は彼の顎の下をくすぐるように指先で撫で、上目遣いで彼を見つめた。
「コンビニ寄ってってもいーい?」
「も、もちろんです!行きましょう!」
橋名は急に元気よく沙凪の腕を引っ張って歩き出した。
相手の欲求を先回りして、
もっとちゃんと考えて、
そんな事が苦手だとわかっていながらも
大事にしたかったから一生懸命立ち回ってきたつもりだった。
それがDomとしての責務だと言わんばかりに。
守らなきゃと、思っていた。
だけど彼を前にするとどうも、自分の欲求がつい前に出てしまっているような気さえする。
なんだか彼に、甘えさせてもらっているような。
しっかりと手を握ってくれているその大きな掌も、その背中も、
歩幅を合わせてくれている事も、様子を見るように時々振り返って微笑んでくれる事も。
全部全部、守ってもらっているみたいに思えて
それがすごく、嬉しくてたまらない。
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