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デザート 6

自分の家よりももはや居心地が良くなりつつある橋名の家に上がり込んだ沙凪は、バニラのカップアイスを食べていた。 こんな夜遅くにアイスなんて不良すぎると思いながらも、今日は機嫌がいいので特別だ。 「…デザートって本当にデザートだったんだ…」 橋名は何故か顔を赤くしたままぼそぼそと呟いている。 「橋名くんも食べたい?」 「うーん…じゃあ一口…」 彼にも共犯になってもらおうと首を傾けると、橋名は小さなテーブル越しに顔を近付けてくる。 「あげてもいいけど… そんな遠い所にいられたら手が届かないなぁ」 一人暮らしの家に置かれているテーブルなんて狭すぎる程だったが、沙凪は頭を傾けるように床を見た。 橋名は、あ、と溢すとおずおずと椅子から立ち上がって沙凪の足元に縋るように床に膝をつける。 彼の顎を掴んで引っ張り、自分の組んだ足の上に乗せるように誘導した。 「よしよし、いい子だね。 俺に何かお願いする時は、ちゃんと近くで教えてね?」 「は…い」 沙凪は彼の頭を撫でながら微笑んだ。 橋名はどこか目がとろんとなっていて、若干もうSubspaceに入りかけているようだ。

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