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幸せに 2

「サナギさん……い、一緒に…住みませんか…?」 「…え?」 突然聞こえて来た提案に思わず顔を上げてしまう。 橋名は少し顔を赤くしながらも沙凪の頬を撫でてくれた。 「…付き合おうってこと…? その…こ、恋人として…?」 「え?もう付き合ってるんじゃないんですか?」 「そ、そうだったの…?」 「俺はずっとそのつもりだったんですけど…」 彼の中ではもう付き合っている事になっていたらしくて、沙凪は急に顔が熱くなってきてしまう。 「違いましたか…?」 「いや…ち…違わないけど……いいの?俺なんかで…」 「ずっとサナギさんしか考えられないって言ってるんですけど…」 まだ分からないのかと橋名は若干呆れたようにため息を溢してくる。 「好きだし付き合ってるなら ずっと一緒にいたいって思うわけじゃないですか?」 「う…うん……そう、だね?」 「だから、一緒に住めたらなって。 いつも来てもらってるなってのもあったから… そしたら朝起こせたりもするし…」 あと朝食も作れるしシャツにアイロンかけれるし髪も乾かせるし、とぶつぶつ言い始める橋名に もう付き合うというかお母さんなのではと思いながらも沙凪は目を細めた。

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