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第11話
「お風呂ありがとうございました。」
ぶっきらぼうだけれどそこはお礼を言う俺偉い。
いや、まぁここまでしてもらってんのに偉いも何も無いけど…当たり前だけど。ちょっとした去勢だ
ただ改めて思った正直な感想、この部屋やっぱり汚い。
毎回ホテルを指定している身として、綺麗な所しか見ていないというのは勿論あると思う。
けど足場が殆ど無く恐らく俺を泊めるくらいだから一人暮らしにも関わらず女性もの下着が放置されている、そしてカップラーメンのからの容器がシンクに放置……ゴミ屋敷っていうやつか!
えー、独身男性の一人暮らしてこんなん?
病気になりそう。
「人の部屋を睨みつけてどうした」
ソファでスマホを弄っていた男は不思議そうにこちらを見る。
「いや、女性に何か言われない?この部屋」
「まぁ、ヤルだけヤッておしまいだしな。
それに流石に呼ぶ時はそれなりに片付けるよ。
ていうか、お前髪の毛乾かしてないだろ!
風邪引くぞ待ってろ」
「はっ?気にするのそこ?!」
男は脱衣所から戻ってきたと思ったらその手にドライヤーを持っていた。
「ソファに座れ」
「えっ…いや、一人でやる」
「何も怖いことしねぇから、なっ?」
何故か男は突然ウキウキしだして正直怖い。
寡黙には見えないが、あの眉間に皺を寄せていた寝顔と女とヤリまくっているような男にこんな一面があるなんて予想できないだろ。
……まぁ、いいか。女とヤッてるなら手を出すこと無いだろうし
「わかった、本当に変なことすんなよ」
「はいはい」
男はふっと笑う。その表情が優しくてちょっとむず痒い
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