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第2話

おにいさーん、良い子入ってるよ?」 「良いから、金出せや」 煩い金と欲にまみれた夜を歩く 青いパーカーのフードを深く被り顔を隠しながら、今日の寝床を探す。 その目はぎらりと光っていた。 安全そうな金を出してくれる人を探さなきゃ 高そうなスーツに身を纏った中年太りの男 酔っ払ったサラリーマンの群れ こちらをさっきから伺う下卑た顔の女 どれも論外だ、少しでもいい人は 普通のスーツに身を纏いいかにも仕事帰りの、そこそこ顔の良い、男。 ・・・見つけた。 木葉はそっと近づき、ターゲットの裾を引っ張った。 男はびっくりしたように振り向いたが、俺が言おうとしてることを理解したように笑った。 「ねぇ、一緒に寝ない?俺お兄さんの事超タイプだからさ」 耳元で囁き同時にフードを取り顔を見せる。 すると男は驚いたように目を見開いてすぐに頬にふれる。 そうだ、俺の顔を見たら大抵のやつは喜ぶ 嫌な嗅覚は一人で生きていく為には役に立った 「まるで女みたいだな、いくらだ?」 「・・・満足してくれたら、5万は欲しいかな」 そうして、今日の居場所は出来た

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