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第5話

しまった...思ったより早く降ってきてしまった ピシャンと空が光り、ズドンと雷が落ちる 体に伝わる震動が心地悪い 雷なので傘を差すこともできず、かといってコンビニで充分な時間を潰すこともできず、コンビ二の僅かしかない屋根で雨が止むのを待つしかなかった。 雨で冷えた空気が体を冷やし、靴は水をすって重い。 雷がなる度に肩を震わす。 『なんだ、雷がこわいのか?』 『おいでお母さんと一緒に寝よう』 『もう、あなたとはいられない!』 『お母さんは?』 『さぁ、パパの言うことを聞くんだ』 『やだ!助けてママ、ママ!やめて、パパ痛い!痛いよ!』 「っっ!」 ふと記憶が頭をもたげた 雷に良い思いでなんてない、嫌いな大嫌いな天気。じとりと空を睨み歯ぎしりをした やっと雨が止んだ頃にはすっかり暗くなっていた。 知らない土地を、水を吸った衣服と靴を纏いながら歩くのも嫌になってきた頃、ふと視線の先にパトカーが見えた。 条件反射で、脇道に身を隠す。 パトカーは、自分を見つけることはなく通りすぎていき、ほっと胸を撫で下ろす 「これじゃあ、まるで犯罪者だな」 そう一人でごちる。 まぁ、警察には一番見つかりたくはないのは事実だけど。 再び、大通りに出ようとしたところで誰かに腕を引っ張られた 「えっ?」 そのまま、見知らぬ狭い路地に引きずり込まれた

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