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第6話
会長が近づいてきて、横抱きにされる。
一般的な成人男性の体重はあるはずなんだけど。
大人しく抱かれている俺を見て、会長は満足そうに口元を吊り上げる。
「仕事に集中できてなかったんだって?お仕置き、しなくちゃね」
ごめんなさいと口にする。
会長は機嫌良く軽々と俺を持ち上げて奥の部屋へと向かった。
常に鍵がかかっている部屋に入れるのは会長と俺だけだ。
特に入りたくはないのだが。
手と足を固定できる輪のついたキングサイズのベッドの周りには、悪趣味な気持ち悪い玩具達とローション、シャワールーム。
ベッド以外の家具は何もない。
まぁ、セックスしかしないのに他のものは必要ないのだろう。
ベッドにおろされ、手だけ固定される。
心を落ち着かせるために冷静に振舞ってきたのに、嫌な汗がでて身体が震えていく。
嫌だで埋め尽くされた脳内に無理やり嬉しいを塗りつける。
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