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第9話

目を開けるといつもと違う景色。 昨夜、あれからさらに遊ばれたのだろう。 ズキズキと痛む腰に、太ももをつたう精液。 今日は腰とお腹の痛みに耐えることになるだろうけど、はやめに落ちれてよかった。 会長のものを挿れられたシーンなんて、考えたくもない。 シャワールームですみずみまで洗い、昨日のスーツを着て廊下に出ると、少しふらっとした。 「あっ、みー兄!父さんのとこ行ってたの?なんかふらふらしてない?大丈夫?」 おっきな目の可愛らしい顔で、人懐っこい弟はみんなに好かれる。 何よりも大事な弟の華弥に矢継ぎ早に質問され、笑って大丈夫だと答える。 「会うのちょっと久しぶりだよねー。はー兄も元気?」 「社長は元気だよ。それより、華弥はちゃんと勉強してるか?高校生活は一度きりだし遊ぶのも大事だけど、将来の事も考えろよ」 華弥はうっとおしそうに顔をしかめた。 「先生みたいなこと言わないでよっ!勉強もちゃんとしてるもんねー!はー兄とみー兄ほどじゃないけど俺も意外と頭いいんだからね!まっ、どーせ父さんの会社に入るだろうけど。」 「分かった分かった。華弥が頭いいのは知ってる。それに、俺たちは父さんの会社に入ったけど、別に華弥は違うことをしてもいいから。」 「はぁーい。でも、大学も行きたいし、だいぶさきのことだからねー。それなりに考えとく。」 そろそろ行くよと言うと、またねー!と大きく手を振ってくれる華弥がとても微笑ましかった。 華弥ぐらい可愛さがあったら、素直だったら。 _______なんて。

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