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第11話
今日は失敗しないように、いつもより慎重に落ち着いて仕事をした。
全て片付いたあと、ほっと息をつくと、社長の視線を感じた。
「まだしんどいのか?今も、顔色が悪いな…。華弥が朝ふらふらしてたと言ってきたぞ。しんどいならちゃんと言えよ。」
滅多に見せない優しい笑みに胸が苦しくなった。
「しんどかったのではなく、ただのさぼりです。心配までおかけして本当にすみませんでした。」
一瞬ぽかんとした社長が笑い出す。
「ははは。さぼりか。それもたまには必要だろう。魅弥も華弥くらい自由にやってもいいんだぞ。お前は自分に厳しすぎる。」
社長の優しさにすみませんともう一度呟いた。
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