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第13話

1人では絶対来ることのないだろう高級旅館で社長と部屋に案内されると、まだ会長は来ていないようで安心した。 部屋の外で立っていると、会長と社長のお相手だろう方、そのご両親が一緒にきた。 美人だけど優しそうで、社長は気にいるだろうと落ち込む心を隠し、会釈する。 4人が俺の横を通るとき、会長の肩がぶつかった。 「すみませっ」 「これが終われば、うちに来て。慰めてあげる。」 返事をした頃にはもう襖は閉まっていた。 お見合いを仕立てたのが誰か分かっているだろ? 慰めなんていらない。 一部屋挟んでいるので声は何も聞こえず、だんだん不安が増していった。 俺が不安がったところで何にもならないのだけど。

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