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第16話

朝、いつも通り朝ごはんを作っているとピロンと音がなりスマホを手に取った。 “今日は日曜だが 俺の部屋に来てくれ” 仕事の話? それとも、会長からの呼び出しだろうか。 そうだったら嫌だなと思いながら返事を返す。 “分かりました。 8時に伺います。” 部屋につくと社長はすでに準備を終えていた。 「魅弥。これからああいう跡をつけさせるのはやめろ。」 「……申し訳ございません。」 会長につけられたんだから、仕方ないだろと思いつつも、思った以上にあんな跡を見られたことを考えると辛い。 いつ会長とのことがバレるのかと思うと怖い。 少し頭を下げていると、首元にひやっとした感触があった。 そっと目線を上げると目があった。 「湿布だ。少し目立つかもしれないが、はっておけ。」 優しさのタイミングさえ、きっとこの人は計算している。

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