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第26話

「魅弥、どうしたんだ?しんどいのか?すごい汗だし、顔もあかい。」 ローターが急に動く。 「いゃっさわらなぁでっ!あっすみませっ」 心配してもらって首に触れられただけだと分かっているのに、感じてしまう。 「親父、今日は帰らせてくれないか。魅弥の体調が悪い。」 「ん、そうだね。魅弥、おいで。」 はいと言いかけた口を塞がれて、後ろから抱えられ立たされる。 「魅弥は俺が連れて帰る。親父には任せない」 「ふふっ。魅弥は玻璃に連れて帰られることでもっと辛くなると思うけどね。」 「会長っ!やめてください!社長、私は1人で帰れます。」 何度1人で帰るといっても聞き入れてもらえず、社長に引きづられるように車に入れられホテルにたどり着いた。 ローターは止まっていたけど、車の振動で身体はたかぶった。 「車のうんてんも…かわっていただき、ありがとぅございました。ふぅ、ここから…1人でかえれます。」 「ばか、1人にできるわけないだろ。俺の部屋に連れて行くから。」 1人で行きたいのに、腰が砕けて車の座席から立てない。 横抱きで抱え上げられ、少しぐらいならとたくましい胸に顔をうずめた。

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