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第48話
今日は、ほとんどまる1日プリトス社との会合だ。
いつもにぎやかなバートもスーツを着て、真面目に話していて普通のことだけど人って変わるんだななんて考えていた。
今回は、プリトス社の運営するホテルをうちの会社の旅行プランに取り入れるための話し合いだ。
日本人ユーザー向けの新たな企画も同時に考えるらしい。
まあ、俺は資料やパワーポイントを出すだけだが。
やっと午前の部が終わったのは1時を回る頃だった。
“魅弥!ランチを食べに行こう。美味しいところに案内してくれ。”
“勝手にふたりで抜けていいのか?”
さすがにプリトス社と昼食をとるべきではないだろうか。
“大丈夫。魅弥の会社の社長にも言っといたよ”
“え?バートが勝手に決めていいのか?”
“俺の父が社長だからね。基本的には俺の言うことは皆聞いてくれるね。わがまましか言ってないけど。”
そういって苦笑するバートに驚いた。
すぐにバートがどこで食べるの?と明るい声を出したので、俺もその空気に乗っかって、明るく答えた。
気に入っている揚げ物の店に連れていくと、バートが口を開いた。
“魅弥、ほんとにどうしたの?大学生の時と違うのは当たり前なんだけど、元気無さすぎじゃない?ちゃんと相談してよ”
心配そうな顔で尋ねられて、口に出したくなった。
バートは意外としっかりしていて、口が堅い。
大学のときも人の変化にいち早く気づけやつだった。
“何でもないよ。”
バートは悲しそうな顔で美味しいって笑った。
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