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第62話
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目が覚めると、すぐ横には社長の顔。
好きだと、そう確かに言ってくれたことを思い出し、一人にやけた。
すぐそばにある顔は、とてもきれいで唇にそっと触れてみた。
今、自分がすごく乙女な行動をしていると気づき、手を離そうとするとぱっと手首をつかまれた。
「魅弥、おはよう。朝から真っ赤になってどうした?」
「いえ、別にっ」
社長は笑い、顔を近づけ静かにキスをした。
もう、やめろと言う必要もない。
少し、変な気分になりながらも、幸せに満たされた。
「社長……そろそろ準備を始めなければ」
「分かった。」
社長が着替え始めたので、俺は家に服を取りに帰ることにした。
家に入り、すぐドアをにもたれ掛かった。
空気がいつもの何倍も甘ったるかった。
キスをしている最中も、終わってからも髪や、頬を撫でられていた。
嬉しいことは嬉しいのだが、照れくさすぎて困る。
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