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第68話
「なぁ、どこへ行くんだ?」
「着いてからのお楽しみだよ。とても美味しいらしいから、期待しといて」
バートの車に乗せてもらい、30分程で目当てのホテルに到着した。
ついたホテルは、名前は知ってるけど行ったことはなかった。
俺には少し高すぎるから。
「ここに、ずっと行きたかったのか?」
「ここ、夜景がきれいで料理が美味しいって聞いたことあって」
案内され、最上階まで連れていかれた。
「こういうとこで、魅弥と食事をとってみたかった」
夜景がすごく綺麗だ。
カップルが多いが、談笑を楽しめるほどよい雰囲気。
ウエイターの対応も教育が染み渡っている。
今はバートと来ているのに、いつか社長と行きたい、なんて。
バートがコースとワインを頼んでくれた。
「魅弥、日本に戻ってどう?」
「悪いこともあったけど、良いことの方が多かった気がするよ。育った場所というのは偉大だな」
「うん、魅弥はなんかよく笑ってる気がするよ」
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