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第92話
あれ……俺、抱き枕なんて使ってたっけ。
妙にあったかい。
気持ちいい。
「魅弥、起きた?」
「えっ?バート?」
「昨夜、覚えてない?」
昨夜は、バートと一緒に酒を飲んで……っ
だいぶ恥ずかしいことしてなかったが、俺!
「思い出したみたいだね。顔、真っ赤だよ」
そう言ってくすくす笑うバートをにらんで気がついた。
何回か、それも俺からキスしてる?
「ごめん!バート。すごく迷惑かけた」
「大丈夫だよ。魅弥から何されても迷惑なんて思わないから」
なんで、こういうことサラッと言えるんだ、こいつは。
「ちょっと、目がはれてるね。冷やそうか」
そういって、保冷剤をタオルで包み俺の目に当ててくれた。
何も見えない暗闇で、俺の頭を優しくなでるバートの手はなぜかとても安心した。
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