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第98話

「華弥くん、夕飯食べてないでしょ?もうすぐ、魅弥が帰ってくるだろうから一緒に作らない?」 「は?なんで俺がお前と?」 「だって、料理出来ないし。手伝ってよ」 仕方ないなぁと言いながらしぶしぶしてくれるこの子は、いい子だと思う。 「料理の仕方が魅弥と全く同じだ」 「同じ人に教わってたから」 華弥くんは楽しいことを思い出したみたいに笑ったあと、また表情を暗くした。 すぐに、華弥くんからは話しかけるなっていうオーラがでて、無言のままハンバーガーを作った。 「あんたさ、みー兄のこと好きなんだよな?」 あとは、ハンバーグを焼くだけというところで、華弥くんが口を開いた。 急な質問に少し驚く。 「そうだね。好きだよ」 「あのさ…」 ピンポーン。 タイミング悪くまた、チャイム。 今度は魅弥が来たのだろう。 華弥くんはばっと笑顔に戻り、みー兄には俺の本性言うなよと俺に言ってから、魅弥の元に走っていった。

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