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第99話

バートの部屋のドアを開けたのは、なぜか華弥だった。 華弥にバートの家を知らせた覚えはないし、混乱する。 「華弥、なんでここにいるんだ!?」 「だって!みー兄全然うちに帰ってこないんだもんっ。寂しかったの!」 そういって、ぎゅっと抱きついてくる。 前より甘えたがりになっている気がする…… 華弥を身体にくっつけたまま、リビングに急いだ。 「バート!」 「おかえり、魅弥。華弥くんと2人でハンバーグ作ったから一緒に食べよ?」 ほのぼのした雰囲気に流されそうになるけど、そうじゃない。 「なんで華弥がここを知ってるんだ?」 バートがちらっと華弥を見ると、華弥が答えだした。 「たまたま見かけたんだよ?バートさんのこと、写真でみたことあったんだ〜」 ふふっと笑い、はやく食べよーと急かしてくる。 「ごめんな、バート。弟が迷惑かけただろ」 「いや、大丈夫だよ。いい子だね」 「もう!俺は高校生なんだからねっ。迷惑かけてないもん!」 ぷくっとほほを膨らませるかわいい弟と、優しく笑うバートにまぁいっかと、腰を下ろした。

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