101 / 123

第101話

「さき、風呂もらった」 「あぁ、お上がり。魅弥。ちゃんと髪は乾かさないとだめだろ?こっちきて」 やれやれというふうにバートがため息をつくので、しぶしぶバートのそばに寄った。 ドライヤーでふわふわと乾かしてもらう感覚は気持ちいい。 「もう!みー兄!何いちゃいちゃしてんの?」 はっとして、華弥がいることを思い出した。 乾かしてもらってるって幼い子供みたいじゃないか。 「バート!もういい!自分でやる」 「みー兄、バートさんの前ではかわいいね。もう、はー兄はやめて、バートさんと付き合えば?」 最後の1文は俺にだけ聞こえるようにこそっと。 バートは優しいし、よく気がつくし……同時に2人と付き合うこともしなさそうだ。 でも、俺はやっぱり社長が好きだから。 「バートは俺の親友だから」 その言葉に華弥にしては珍しく、大きなため息をついた。

ともだちにシェアしよう!