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第101話
「さき、風呂もらった」
「あぁ、お上がり。魅弥。ちゃんと髪は乾かさないとだめだろ?こっちきて」
やれやれというふうにバートがため息をつくので、しぶしぶバートのそばに寄った。
ドライヤーでふわふわと乾かしてもらう感覚は気持ちいい。
「もう!みー兄!何いちゃいちゃしてんの?」
はっとして、華弥がいることを思い出した。
乾かしてもらってるって幼い子供みたいじゃないか。
「バート!もういい!自分でやる」
「みー兄、バートさんの前ではかわいいね。もう、はー兄はやめて、バートさんと付き合えば?」
最後の1文は俺にだけ聞こえるようにこそっと。
バートは優しいし、よく気がつくし……同時に2人と付き合うこともしなさそうだ。
でも、俺はやっぱり社長が好きだから。
「バートは俺の親友だから」
その言葉に華弥にしては珍しく、大きなため息をついた。
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