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第112話

日が経つのははやいもので、誕生日会がもう明日にせまっている。 呼び出す口実は完璧だとバートは笑っていたし、華弥も似顔絵を描けたと言っていた。 俺も……料理は何を作るかきめたけど。 プレゼントに何をあげるかでまだ悩んでいる。 このまま悩んでいてもらちがあかないと思い、華弥に電話することに決めた。 『もしもし、華弥?』 『はーい!珍しいね、どーしたの?』 相変わらずテンションの高い弟に苦笑する。 『社長へのプレゼントで何がいいか悩んでいて。何がいいと思う?』 『んー、みー兄が決めることだと思うけど……俺がプレゼントだよとかいえばいいんじゃない?』 『ばかっ!』 『ははっ!いいと思うんだけどな〜』 ふざける華弥にため息をついて、電話を切った。 俺がプレゼントって……恥ずかしすぎて、出来るわけがない。 それ以前に、社長は喜ばないだろう。 振り出しに戻ってしまった。

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