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第113話
クリームの入ったボウルを抱えてため息をつく。
あとはこのクリームとフルーツでケーキを飾り付けするだけで、料理は完成だ。
部屋の飾り付けを終えた華弥とバートは1時間後の6時に社長を連れてくると言って出ていった。
結局、プレゼントは決められなかった。
この料理がプレゼントだと言っていい気がする。
「よし、完璧」
いちごを最後にのせて、ケーキは完成。
自分で言うのもなんだが、なかなかうまく出来た。
タイミングよく、社長も来たみたいだ。
ケーキを冷蔵庫にしまい、料理をテーブルに並べる。
ガチャっとドアが開いた。
「誕生日おめでとうございます、社長」
「魅弥!?熱を出して寝込んでいるんじゃなかったのか?」
華弥達そんな嘘をついたのか。
「はははっ!はー兄おめでとー!」
「おめでとうございます」
「ああ、ありがとう。まさか、こんなことをしてもらえるとは思ってなかったよ」
目元をほころばせ、嬉しそうな社長を見ていると、俺も嬉しくなった。
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