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第117話

「外で二人きりは久しぶりだな」 緊張する。 しばらく避けていたせいか、耐性がなくなっている。 「そうですね」 「華弥とバートは付き合い出したのか?」 「えっ?まさか、そんな…」 いや、でもさっき「寝る」とか言ってたし… 「華弥もそろそろ兄離れか」 「まだ、高校生ですし…恋愛するには早いんじゃないですか」 「ははは、本当に過保護だな、魅弥は」 社長は豪快に笑っている。 「それに、やっぱり……男同士ですし」 「俺と魅弥だってそうだろう?」 そうだけど。 社長は女性の方がいいんじゃないかと考えてしまうことがやめられない。 実際、俺が社長と付き合っても周りには隠さないといけないし、子供も産めない。 幸せな家庭なんて築けない。、 唇にあたる熱ではっとした。 考え込んでぼーっとしていたらしい。 目の前では社長がいたずらに笑っている。 「もう!誰かに見られたらどうするんですか」 「それならそれで構わない。見せつけてやりたいだろ?」 構わないことは絶対ないけど、でも顔が赤くなるのは止められなかった

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