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第5話

三日月形の美しい障子から優しい朝の光が差し込む 清潔な寝具に包まれ熟眠してしまったようだ 月影「目覚めたようだな」 今日は翠色(すいしょく)の衣か 昨日の紺碧(こんぺき)の衣もよくお似合いだったな どんなお色にも染まるお方なのだろうか 月影「小姓部屋で朝食(あさげ)を摂ったら私の執務室へ来なさい」 青蘭「はい」 ・ ・ ・ (しゅう)「青蘭探したよ、どこへ行っていたの?」 青蘭「腹を下して医務室で一晩寝かせてもらっていた」 親友でもさすがに本当のことは言えない 柊と共に朝食をいただき、月影様の執務室へと向かった ちょうどいい……これからの事を私もお話しせねば ・ ・ ・ 【月影サイド】 筆おろしが嗜好の來華(らいか)様にとって昨晩の青蘭の淫らな様子は好物であったに違いない 実に悪趣味なお方だ あのあと4人の小姓とも愉しんでおられたけれど、何ごともなかったかのように今日も外交へ向かわれた 月影「はぁぁ……」 今夜も5.6名用意せねば 青蘭「青蘭参りました」 来たか ・ ・ ・ 【青蘭サイド】 ここが月影様の執務室か……この甘い香りは百合であろうか 凛とされている月影様には百合の花がよくお似合いだ 大きな書机に両肘をつき手を組み合わせて優しく微笑む月影様に、座るよう促され、向かい合うように座った ドキン ドキン 月影「昨夜はごくろうであった。小姓の初仕事はどうであった?」 青蘭「そのことで月影様にお願いがございます」 月影「申せ」 青蘭「私は雪那(せつな)様の小姓を夢見てこの宮に入りました。恐れながら……雪那様の小姓として働かせてはいただけないでしょうか」 月影様は苦心しているようにも見える表情をされている 私のような願いなど到底聞き飽きているに違いない 月影「雪那様は尻の穴が狭い者に興味はないぞ?」 ………何の話? 月影「雪那様のイチモツは來華様の物より遥かに大きい」 いや、だから何の話? 月影「來華様のイチモツで泣き喚いているようでは雪那様の色小姓は務まらぬぞ?それに……」 青蘭「月影様!!///………あの…そもそも色小姓とは?」 月影「知らぬか?夜伽を務める小姓のことだ。青蘭には來華様の色小姓として働いてもらおうとここへ呼んだ」 よりにもよって、あのど変態の色小姓!! 青蘭「私は秘書官や護衛官になりたいのですが……」 想定していなかったのか呆気に取られて微動だにしなくなってしまった 月影「……知も武もなかろう?」 もう少し包み隠していただいてもよいだろ 青蘭「しかし私に色小姓など務まりません」 月影「そんな艶美な体つきをしていてか?」 青蘭「えっ……」 月影「色小姓から出世して側室に入っている者も大勢おる。ゆくゆくは雪那様の寝所にも付いてもらう」 …………そうなんだ…。

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