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第12話

朝食をいただき、給仕小姓に混じり私も奥楓之間の掃除に就いた この広い宮の掃除をするには小姓が足りなすぎる 給仕小姓が毎日ヘトヘトになりながら夕食を摂っているのも頷ける 私たち色小姓は夜の活動が主なため、昼間は色小姓教育で鈴之間に呼ばれないかぎりは自由に過ごしている 給仕小姓に混じっていると、いかに色小姓が特殊かが分かる。 やはり色小姓は独特な色気がある 色小姓の中でも3本の指に入ると言われている兄さん小姓は來華様、雪那様どちらの夜伽にも就いている。 まだ1度も見かけていないが相当な色気を撒き散らしているに違いない 中堅の色小姓も引けを取らぬほど美しく、国王様を喜ばせる秘技を持っている 私のような下っ端で色気のない小姓などいつ飽きられてもおかしくない そもそもまだ私は正式に色小姓になっていない ・ ・ ・ 掃除を終えると昼食のため小姓室にゾロゾロと人が集まってくる 柊はまだ戻って来ないのか 仕方ない…1人で食べるか。 『ねぇ君さ』 青蘭「え?」 私よりも3.4才は上であろうか?3人組の小姓に話しかけられた 『君ここへ来てどのくらい?』 青蘭「……3日ほどです…」 『3日?』 ケラケラとバカにしたように笑う3人組に嫌悪感を覚えた 『君が何度も月影様のお部屋を覗き見しているところを見たんだけど、やめてくれる?』 えっ……… 青蘭「…………」 たしかに今朝月影様を探し回っていたからな……まずいところを見られてしまった…… あとから柊に聞いた話によると この3人組は熱心な月影支持者らしい…… ここの小姓歴も長く、月影様に好意がある小姓を片っ端から排除しているようだ この3人組がいわば給仕小姓の(おさ)らしく、こやつらが監視しているせいで、給仕小姓は月影様に近づけないようだ 色小姓は公な職ではない。国王様に男色の趣味があるなんて知られるわけにはいかないからな たしかに色小姓の兄さん達は昼間姿を見せない 月影様の部屋と繋がっている色小姓専用の棟で過ごしているらしい 私みたいにふらふらと出歩いてなどいないもんな…… 嫉妬の的になっても面倒だ。今後は月影様にまとわり付くのは控えないといけないかもな

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