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第9話 イノセントすぎだろって 2 ※R18
【イノセントすぎだろって 2】
そうして何度か軽いキスを仕掛けると、ショットの方から舌を絡ませてきた。
「ん、んっ……」
腰に触れられて思わずうっすらと目を開けたら青い瞳がじっとこっちを見てたからギクッとする。
「おまっ、キスしてる時の顔をジロジロ見んな!」
ガバッと起き上がって背中を向けるようにして蹲った。俺「ん」とか甘えたコト言って、ああもう絶対に変な顔してた自信しかない。羞恥心で一気に気分が冷める。
でもショットはそんな風に狼狽える俺なんかおかまいなしで、後ろから覆いかぶさってきた。
「ちゃたおこってる……なんで?」
「怒ってるっつーか、恥ずかしいから目は閉じてくれよ」
「えー」
「うわっ、おい、こら!」
唐突に耳を舐められて濡れた感触に思わずビクッと跳ねた瞬間、そのまま千切れるんじゃ……って思うほど強く噛まれた。
「い、いてぇって……っ!!」
抵抗しようにも両手とも捕まえられちまってるし、俺の力でこのバカ力を振り解けるはずもなく。
「ショット!い……っ痛い……!!」
それでも「放せ!」って喚きながら暴れてると噛まれていた耳がようやく解放されて、またベロリと舐められた。
「ひっ、あ!!」
急な刺激に思わず情けない声が出て、慌てて唇を噛んで耐えるとそのままショットの舌は耳の裏から首筋に降りていく。
「ん……っショッ、ト……、あ、やめっ……」
まだ何も始まってねえっつーのに既に息が絶え絶えの俺は静止の言葉を口にしてみるけど、案の定止まってくれるわけもなく。それどころか今度は首筋に噛みついてきた。
「ぐぅっ……」
続く何らかの痛みを予想してたから大声は出さずに済んだけど、勝手に体が震える。押さえつけられてる手首も折れそうに痛いし、耳からは血が垂れてきたし、コレ死ぬかも。と思いながらもう無抵抗のまま目を閉じた。
コイツはまじで野生動物みたいなもんで、抵抗するほど余計に興奮させてしまうのかもなって思ったから。
***
「……う、ぅ……っ、い、てぇ……って……」
床にうつ伏せに倒されて背中に乗られて、噛まれて舐められて、すっかり首も肩も血だらけになった頃、急に手を解放されて仰向けに転がされた。
「は……ぅ……」
痛みに耐えてずっと息を殺してたせいか、酸欠で意識が朦朧とする。痺れてあんまり感覚のない手をヨロヨロとショットの首に回してみた。
「はあ、このバカ……」
「ちゃた」
興奮した低い声で唸るように名前を呼ばれて、まじで食い殺されるかも、なんて考える。それでも俺もまだ止めるつもりはない。
シャツを捲り上げて脱がそうとすると暑かったのか素直に自分から脱いで、俺のシャツも脱がそうとしてきた。けどすぐに面倒そうに破かれる。
「ちょっ……こら」
まあいいけど、変な格好になった。昨日とは違って既に大きくなっているショットのズボンを押さえてみる。
「でけ」
もう完全MAXじゃんと笑うとショットは途端に困ったような顔になって、俺にスリスリと甘えてきた。
「くるし……ちゃた」
「だろうなぁ、こんな状態で」
お前なんにも分かってないんだもんな、と呟きながらズボンを脱がせてデカくなってるモノを|扱《しご》く。
「っ……ふ、う」
人生で二度目の刺激にすっかり大人しくなったショットをまじまじと観察してると俺自身も興奮してきた。でも今は先にコイツを攻めまくってみたい。
あちこち痛む体を起こし、我ながら驚くほど抵抗もなく、それを舐めて口に入れる。舌を絡ませるように喉の入り口までゆっくり飲み込むとピクッと口の中で動くのが分かった。
「んん、んぐ……っふ……」
あんまり奥まで入れると嘔吐感が襲ってくるから、適当にやめて先を舐めるだけにしていると急に頭を雑に掴まれてビビった。
「……っん、う……?」
無理やり喉の奥まで突っ込まれるかも……と身を硬くしたけど、予想とは逆に勢いよく離されて、そのまま仰向けに倒される。
「おわっ」
「はぁっ、はぁ……っちゃた……」
「あ、う……」
スリスリと腰同士を擦り合わせるように動かれて、思わず俺も反応する。
「なに……ショット?」
「うー、ちゃた……こうしたい」
自分でも何がしたいのかよく分かってない様子におかしくなって、俺もとにかく脱ごうとズボンに手を伸ばす。けど首も肩も引き攣るように痛くて倒れこんだ。
「いってぇ……」
脱がして、と言うと素直に言う事ことを聞いて手伝ってくれたけど、そもそもの原因はこいつだから礼は言わない。ズボンから足を引き抜いて、こいつ相手だと抱き合うだけで一苦労だな……と息をつくとガバッと抱き込まれた。
「うわっ!いてて」
「ちゃた、これどうする?」
「ちょっと待て!待て待て!」
何にも知らないくせにソレをケツに押し付けられて心底びっくりする。分かってんのかこいつ?それとも本能か?
「うぅー、ちゃた、ちゃたぁ」
「く……っ甘えた声を出すな!堪らなくなるだろ!」
最近気が付いたんだけど、俺って甘えられると弱いんだよな。撃沈した体の下から這い出して、慌てて用意しておいたローションとゴムを投げ渡す。
「ちょっと我慢しろ、説明すっから!」
「いらない」
「いる!」
とは言うものの、俺だってさっさと進めたい。とにかく最低限これだけは、とゴムの箱を乱暴に開けた。
「どうせお前がそっち側なんだろうと思ったから、俺の方はさっき準備してきた!そこはいいよもう!んで、お前はコレ!」
「なにこれ」
ショットに1つ手渡すとポイと投げ捨てやがる。
「捨てんな!」
拾ってもう一度持たせるとグズグズ言いながら袋を破いた。
「あんま弄んな、使えなくなるから」
その間も萎えてなかったのが救いだ。気分が冷める前にさっさと準備を終えねえと。てか、俺は萎えたけどな。
「こっちを上で、このまま……」
無事にゴムを付けられたので一安心してローションのフタを開ける。
「なにこれいや」
「外すなよ!」
両手に大量に出して、めちゃくちゃに塗る。
「つめたい」
「我慢しろ……はぁ……お前、止めろっつっても止まらないんだろうな」
我ながら何してんだってくらいフロで慣らして来たけど、こんなんモチロン初めてだから怖い。こいつ絶対に暴走すると思うし。
「ちょっと待てよ……」
膝立ちになって、後ろをほぐす。散々慣らしておいたから、ローションをつけた指はすんなりと入った。
「っう……うー、くそ……」
「ちゃた?」
意外にも心配そうな声で名前を呼ばれて、ふと顔を上げると目が合った。
「だ、大丈夫だから……」
何してんだか、と思うとちょっと恥ずかしくなってきて、パッと横を向くと抱き寄せられる。そのまま俺の手に手を重ねるようにしてショットが触れてきた。
「っあ、ショット、待っ……!」
「……」
「う……」
ヌル、と俺のより太くて長い指が遠慮なく体内に突っ込まれて全身が勝手に震えた。
「あっ、あ、待て、ショッ……!」
あまりにも無遠慮に中を確かめるようにかき回されて、思わずショットの頭にしがみつく。
「ふ、ぅ……く……んんっ!」
体内を探られる違和感が凄くて無意識に逃げようと足に力が篭るけど、少し身動いだ瞬間、肩口に噛み付かれた。
「ぐ……っ!!」
血が止まったばかりの傷口をまた開かれて、ヒリヒリとした痛みが頭に響く。思わず離れようと身を引いたけど、獲物を逃すまいとする肉食獣かのように尚更に歯を立てられて、押し問答の末に二人ともドタッと転んだ。
「はっ、はぁっ、はぁっ!ショット……」
仰向けで左足を持ち上げられて、左腕と一緒に抱き込む形で固められる。無茶な体勢に息が苦しい。また血が流れ出した肩を舐めながら、いつのまにか体内を|弄《まさぐ》る指は3本に増やされてた。
「うっ、ぐ……っあっ、あ!」
「ちゃた……ちゃた」
「あ、ショット、もう、いいからっ」
自由な右手でショットの手を掴んで止めさせる。口にも頬にも俺の血がついてるショットを落ち着かせるようにキスをした。
「……」
「分かるか?ここに……」
向き合ったままショットのを掴んで誘導すると返事もなくグッと押し付けられて、思ったより抵抗なく先が入り込んできた。
「は、ぁっ」
それでも、初めて経験する衝撃に俺はもう何の余裕も無くて、シーツを力一杯掴んで目を閉じて耐える。痛くは無いけど、違和感が半端無い。
「あう……っ」
「はぁ、ちゃた……」
乱暴に腰を掴まれて、グイグイと奥まで侵入される。
「あ、あっ……ストップ!そ、そこ……っ」
何かに当たるような感じで、侵入が止まった。でもまだ多分半分くらいしか入ってない。
「待っ……くる、し……っく、あっ!!」
すると不意にグッと揺すられて、腹を突かれた反動で勝手にでかい声が出た。
「待、あっあ!待て、って!ふっ、あっ!」
内臓を押し上げられるたびに勝手に声が出る。自分の情けない声を聞きたくなくて、どうせこいつは言ったって止まらないんだからと俺は口を閉じた。
「んっ、う、ぐっ」
「んん……」
「ぅわっ!」
グルッと視界が反転して、うつ伏せにされた事に遅れて気付いた。そして間髪入れずに今度は後ろからまた挿入される。
「っく……!うっ、う……!!」
角度が変わって、さっきより奥まで入ってきた。
「は、あ、うぅっ……待て、ショットぉ……!」
「むり」
ズルっと引き抜かれて、息をつく暇もなく今度こそ一番奥まで一気に貫かれた。
「ぅあ……あ、あぁっ!!」
腰を掴む手に力が篭って、爪がブツッと皮膚に食い込む。
「い……あっ、あ、あっ」
力任せに揺さぶられて開いたままの口から情けない声が漏れるけど、息が苦しくて閉じれない。ローションのせいでグチュグチュと腰同士がぶつかる音が暗い寝室に滅茶苦茶に響き渡った。
「あっ、はぁっ」
勝手に生理的な涙がボロボロとこぼれて、だんだん視界が滲んでいって……。
***
「ぐぇっ」
それからは気を失ってたみたいで、ショットがのしかかってきた重みで潰されて目が覚めた。
「はぁ……はぁっ……」
「……どけ、ショット……重い」
そんで抜け。と言うとショットは思ったより素直に体を離してくれた。
「うぅ」
抜ける感じが気持ち悪くて鳥肌が立つ。血とか汗とかで汚い毛布に倒れこむと抱き起こされた。
「ちゃた、へいき?」
「ああ……なんとか生きてるよ」
全身が弛緩してるような感覚で力が入らない。フルマラソンを走った後みたいに息も落ち着かなかった。
「つ、疲れた……」
「きもちかった」
「そりゃ良かったですね」
目に見える範囲だけでも、手首は紫色に鬱血してるし、腕も腹も足も噛み傷だらけだ。コイツは獣か。
「はぁ……」
首も絶対ひどい事になってるんだろう。ジンジンと痛む。触るのも怖くて、目を閉じて現実逃避した。
「はぁ……フロ……連れてって」
「ん」
***
「いででで」
どこもかしこも痛い。そんでダルい。腕が重い。
「疲れた……まじで……」
壁にもたれながらなんとか体を洗ってシャワーを止める。服を着るのすら億劫で、とりあえずパンツだけ履いてリビングに出ると机に伏せた。ショットはどこだ?と思って目だけで探すとキッチンの方から歩いて来る。
「ショット?」
「……みず」
「ま……まじか」
普通に考えたら傷の手当て、後片付け、看病までして欲しい所だが……コイツのことだから何一つ当たり前に期待してなかった俺にとって"あのショットが俺の体調を心配して水を汲んできた"という事実があまりにも衝撃だった。
「ありがとな……」
と言いつつ、腕が疲労と痛みでプルプル震えて持てない。折れてないだろうな、これ。なんとか苦労して水を一口飲むとようやくホッとする。
「……ありがとな」
もう一度礼を言うとショットは満足そうに俺の寝室に入ってった。
「うわっ」
さて俺も寝ようと思ったら、シャワーで温まったせいで血管が開いたのか、身体中の傷という傷からジワジワと血が滲んでた。当然、ベッドシーツも赤く汚れちまった。
「なに」
「あーやっちまった……いいよ、もう。明日考える」
と言っても、もう"今日"か。曇った窓の外はぼんやり明るくなり始めてて、そろそろ起きてシドニーの朝飯を作る時間だった。
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