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第27話 甘い軟禁生活 2 ※R18

【甘い軟禁生活 2】  軟禁生活が始まってから、3日くらい経ったと思う。ショットの気分が落ち着くまでは部屋から出られそうにないけど、清潔にしないと傷が悪くなって危ないと説明してなんとかシャワーだけは浴びる事に成功してる。  それにしても……寝る時はずっと抱き枕みたいにガッチリホールドされてるし、トイレもシャワーも引っ付かれて、文字通りまじで"四六時中ずっと一緒"だ。こいつに見られながら放尿する事にも不本意ながら慣れちまった。 「なあ……そろそろシドニーを学校に行かせてやりてぇんだけど」  シドニーとはまだドア越しでしか話せない。ショットが絶対に会わせてくれないからだ。心配で今は自分以外のヤツと会わせたくないんだろうけど、このまま俺とこの部屋で心中するつもりか?こいつは。 「心配かけたのは本当に悪かったよ。でも俺はペットの小鳥じゃないんだぜ」  わかるよな?と言えば無言のまま抱きつかれる。 「……だって」  その目は俺の首を見つめてて、切られた傷を気にしてるみたいだ。傷を見ると悲しくなるのかフスフスと少し鼻息が荒く聞こえるから、慰めるように頭を撫でてやる。 「はぁ……そもそもな、お前だって俺にいっぱい傷痕残してんだぞ?」  俺は思わず笑っちまいながら服を捲って腹を見せる。 「ホラちゃんと見てみろよ」  今まで数え切れないくらい、食いちぎられた痕は全身ケロイドになってて、俺はそれを見せつけるように服を脱ぎ捨てた。 「コレ、普段は目立たねぇけど酒飲むと真っ赤になるんだよ。知ってたか?」  付けられたその傷痕をひとつひとつ撫でながら言えば、ショットの目に興奮した熱が篭っていくのがわかる。まったく、こいつの動物的本能は天性だな。 「ここは皮膚が薄いから、特に痛かったな……焼けるみたいだった」  そう言って煽るように鎖骨の上の皮膚を撫でると肩を乱暴に掴まれて、ベッドに押し倒された。 「……腹減ってんじゃねーの」  ずっと俺から目を離さないで、飲まず食わずで。それは俺だって一緒だけど。俺も、コイツと四六時中ずっと一緒にいて"どうかしちまった"のかもしれねぇな。 「喰えよ」  そう言うのとほとんど同時に右腕に噛みつかれて、ショットの鋭い犬歯が肉に突き刺さった。  *** 「ちゃた、ちゃた……」 「ふっ、う……っ、なん、どうした」  腰を振りながら甘えるように名前を呼ばれて、ショットの頬に両手を添えた。顔面中、俺の血でドロドロだ。 「っはは、あっ、イイ、男になッた、なっ」  腕から垂れた血が額に落ちて、目を閉じると舐められた。舌につけられたピアスが当たる。くすぐったくて笑うと今度は肩に噛みついて、流れる血を啜られる。 「ちゃた、ふぅ……っちゃた」 「な、んだよ……って、うっん……んっ」  そんなショットの頭を抱え込んで足も背中に巻きつけると、お互いの素肌が密着した。汗やら血が冷えて一瞬冷たかったけど、少しくっついてるだけですぐ暑いくらいになった。 「あっあっ……っく、いく……っ」  密着したままピストンされるとショットの腹に俺のが擦れる。前からも後ろからも感じて、俺は耐えきれずイッちまった。  ピクピクと痙攣するのに合わせて、体内のモノを俺の体が勝手に締め付けてるのが分かる。ショットは黙ったままじっと動かず、そんな俺の直腸の唸りを感じてるようだった。  こいつとのセックスはいっつも長ぇから、さっさとイッちまうと後でしんどいってわかってんのに今日も耐えられなかった。 「はっ、はぁっ、あー……そんな、まじまじ見んなよ……」 「ちゃた……」  まだショットのは硬いままだったけど甘えるみたいにキツく抱きつかれて、俺も抱きしめ返す。 「ど、した……今日は」  随分甘えてくるな、と思いつつそれも悪い気はしない。ただどうしたのかは気掛かりで、話してみろと促す。 「ちゃたなぐられた……いやだった」  拗ねたように口を尖らせてそう言うショットに思わず笑っちまった。 「はは、お前も俺に乱暴するじゃん」 「おれだってしたくない……」 「冗談だよ、お前が俺を傷つけようとして乱暴にしてるわけじゃないのは分かってる」  こんなでも、本当に俺のことを大事にしたいと本気で思ってくれてる事はちゃんと知ってる。きっと一生懸命に大事にしてるつもりで、これがコイツの限界なんだろう。  それは俺の希望的観測ってワケじゃなくて、普段の態度からも分かる事だ。例えば他の人間を半径2メートル以内には絶対に入れたがらない所とか。極端なんだよな。  ***  さっさと好きなように動けって言ってんのに、俺の反応を楽しむようにじっくり責められて、俺はだんだん意識がボーッとしてきた。  それなのにさっき出して萎えてたモノはもうガチガチに勃ってて、ショットの手でずっと弄られてる。 「あ……あ、は……っく、あ、あっ」  後ろは後ろでゆっくり中を探るように抜き差しされて、身体中に鳥肌が立つ。声が勝手に出て、足が空中を蹴って、頭がバカになっちまったみたいだ。 「ん、ぅあ、あ」 「ちゃた、きもちい?」 「気持ちいい、気持ち、よすぎ……て、やば……」  そんな事したことないクセに突然スルリと両手に指を絡められて、照れ臭く思いながら俺もその手を握り返した。 「あっ、あっ、あぁっ、はぁ……っ」  向かいあったまま手を握り合って、キスをして、抱き合って、こんな確かめ合うようなスローセックスなんかしちまったら、もう……。 「あ、あっもう、おれっ」 「ちゃた……ちゃた」 「ショット、ショット」 「ちゃたろ」  恥ずかしいくらいに何回も名前を呼び合って、血と汗だくになって、俺たちは必死に抱き合った。 「ショット……はぁ、あっ、好き、好きだ……っ」 「うん……ちゃた、もっと言って」 「好きだ、お前がっ……」  グッと背中に腕が回されて、少し持ち上げられるような格好で更に深く貫かれる。 「は、ぁぐ、う……っ」 「おれもちゃた、あいしてる」 「は……あ!?」  突然の言葉に驚いたけど、同時にそれまでの穏やかさが嘘みたいに激しく責め立てられて脳みそが溶けちまうかと思った。 「うぁっあ!あぁ!待っ、待て、ショッ……!」  さっきなんて言ったんだよ、愛してるっつったのか?なぁ、もう一回言ってくれよ。俺も愛してる……そう言いたいのに息も吸えないくらいに好き勝手されて、俺はもう意識があるんだか無いんだか分からねぇような状況で。 「あぁ、あっ、ショット、い……いく、いくっ……!」 「う、ん……ちゃた……っ」  苦しいくらいに抱きしめられて、背中に爪が立てられて、俺は情けないくらいガクガク震えながら精液をぶちまけた。いま腹の奥でショットもイッてんなって分かったけど、もういいや……と文句は言わなかった。それより、こんな血と精液まみれの愛の告白なんかあってたまるかと思いつつ、かつてない充足感に浸ってしまった辺り、やっぱ人間惚れたら負けなんだな。 「は、あ……も、むり……後始末、頼んだ……」 「うん、わかった」  顔中にキスされながら、俺は限界がきて気絶するように眠った。

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