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第43話 おれのだいじな家族 ※R18

【おれのだいじな家族】  リディア姉ちゃんとオーサーが近くまで送ってくれて、もうすぐって所でお別れした。ととが待ってるハズだと言うから絶対に嘘だと思った。俺はどんな顔をすればいいのか分からないまま、とぼとぼアパートの前まで歩いてく。 「……あれ……とと?」  そしたら、アパートの入り口にととが立ってて驚いた。まさかとはおもうけど、俺の事を待ってたの……?  パチッと目が合った瞬間、ととが迷わず駆け寄ってきたからもっと驚いた。 「とと……」 「シド、かえるの待ってた」 「俺が帰ってくるの分かってたの?」 「ん」  そう言いながら優しく抱きしめられて、今度こそ俺は驚きを隠しきれなかった。今までも俺が甘えて拒否される事はなかったけど、こんな風にととから俺に何かしてくるのは初めてだったと思う。  いや、とーちゃんの真似をして頭を撫でたりキスしてくれる事は時々あったけど……。 「とと、ちゃんと俺に興味あったの?」 「?」  全く興味が無い……とまでは思ってなかったけど、いなくなって心配してくれるだなんて、正直ちっとも期待してなかったもん。俺に興味が無いというか、"とーちゃんにしか興味ない"んだと思ってた。 「だいじだから」 「え?」 「シド、おれのだいじな家族」  その言葉に固まってると不思議なモノを見る目で見られた。ととにこんな目で見られたらおしまいだと思うのは失礼かな。 「ちがう?」 「そう、そうだよ……」  嬉しくて部屋に入る事も忘れてととに抱っこしてもらいながら泣いてると、とーちゃんも走って帰ってきた。 「シド!!よかった……帰って来たんだな」 「うん」 「はぁ、リドルんトコかと思って、行って来たんだ……ああ、シドニー、本当に無事で良かった」 「オーサーのとこに行ってた……」 「そっか。ショット、待っててくれてありがとな」  今度はとーちゃんに抱き上げられて、ギュウギュウと抱きしめられた。横からととの手が伸びて来て頭を撫でられる。二人にこんな風に揉みくちゃにされて、嬉しい。 「……心配かけてごめんね」 「いいんだ。俺こそ、お前の気持ちを考えずに慌てて色んなこと話してごめんな。ちゃんとゆっくり話し合おう」 「ううん、大丈夫だよ。俺、都会の高校を目指すよ」 「え!!無理してないか?」  とともとーちゃんも、こんなに俺のことを大事にしてくれてるって分かったから。ここを離れてちゃんと勉強した方が良いって言うのも、俺の為なんだって本当は分かってたし。  二人と離れたくない、離れるのが怖いって思ってたけど、離れて暮らしても大丈夫だって思えた。 「無理してないよ。遠くにいても、俺たちって家族だもんね?」 「そんなこと……当たり前だろ、なあ?」 「うん」  ととのキョトンとした顔が本当に「全く当たり前の事を今更どうした?」って感じがして、また嬉しくなった。 「とーちゃんが俺のことを考えてくれてる事も分かってた。ワガママ言ってごめん」 「いいんだよ。ほら、これでもう謝るのはおしまいな」  ととととーちゃんが"仲良く"してるのも、嫌だって思った事ないからねと伝えたらとーちゃんは|咽《む》せてた。  その日はととととーちゃんに挟まれて寝る事になって、照れくさいけど嬉しくて、なかなか眠れなかった。  ***  そんな家出事件から数日……学校は夏休みになる時期がまたやって来た。そしていよいよ、この夏休みが終わればシドニーは秋から中学生になる。 「つーことは、三人で一緒に暮らし始めてもう1年経つのか……って思うけど、まだ1年かとも思うな」 「そうだね」  電車に揺られて流れてく景色を眺めながら、隣に座ってるシドニーとそんな事を話す。  ターミナル駅で俺はシドニーを抱きしめた。 「じゃあ俺はここで戻るよ。駅に母親が迎えに来てくれてるらしいから」 「うん!心配しないで!」  今年の夏は俺の実家にシドニーを預けて、都会での暮らしを体験させてみる事にした。  久々にしれっと母親にその事を電話で頼むと去年何の挨拶もなく帰った事を咎められたが、やはりどんぶり勘定な母親は「いいわよ、そのままこっちで育てても」とまで言ってくれたのだから有難い。 「もし辛いことがあったらすぐ帰って来ていいからな」 「とーちゃんも、寂しかったらいつでも会いに来ていいんだからね」 「ああ、そうするよ」  にしても、本格的に離れて暮らす事になる前に連絡手段は手に入れておかねぇとな……今はスラムにあるダイナーで電話を借りるしかないから、連絡はこっちから掛けるのみの一方通行だった。住所は一応存在するが、手紙なんかもちろん届くはずもない。  ***  駅へ出たついでにシドニーが中学で使えるように新しい鞄を買ってから帰ると想定より遅くなっちまった。 「あれ、どっか行くのか?」  アパートの入り口でショットと鉢合わせる。 「……」 「どうした?」 「ん……おなかすいた」 「食いもんなら冷蔵庫に何かあったろ。てかどこに何を食いに行くつもりだったんだよ」  ぼーっとしてるショットに「入ろうぜ、ここは暑いよ」と声をかけると何か言いたげにしてるから急かさずに言葉を待つ。 「さみしかったから」 「遅くなってごめんな!!」  1も2もなく手を広げてやるとキュッと抱きつかれたから髪をかき混ぜるみたいにたくさん撫でてやった。  普段なら目が覚めた時に俺がいなかったとしても30分もすれば帰ってくるはずなのに、3時間経っても5時間経っても帰ってこないから不安になったみたいだ。 「朝から長時間出かける時は寝ててもちゃんと声かけるよ」  昨晩のうちに明日は遅くなるとは言っておいたんだが、こいつには難しかったかな。  ***  部屋に入ると突然後ろからグイッと壁に押し付けられて驚いた。 「いて、鼻打った!なに……」  ざらりと濡れた感触に首を舐められたんだと遅れて気付く。 「あ、ぅわ?ショット、こら」 「……」 「やめっ、急に」  そのまま手が無遠慮に服の中に入ってきて、腹や胸を撫でられる。寂しかったから、俺の体温を感じたいんだろうか。 「う……」  うなじに噛みつかれて、熱い手で身体中をまさぐられて、こんな玄関先だってのに俺も"その気"になってきた。 「あ、あ……っ、待て、ショット」  待てって言ってんのに無理やり服を脱がされて、首や背中に次々と吸い付かれる。 「こら、あ、も……バックル壊すなって……」  乱暴にベルトを引っ張られて慌てて自分で外した。今までにも何本も壊されちまってキリがない。 「んげっ!」  顔を掴まれて振り向かされて噛み付くようにキスをされる。首が捻れて潰れた声が漏れたけど、全く気にしてないみたいだった。 「ん、んぅ……ふっ、ん……」  体もショットの方を向いて首に腕を巻きつけると不器用にズボンも脱がそうとするから、つい笑っちまいながらジッパーを下ろした。 「そう慌てんなよ」  首元にガブガブ噛みつきながらズボンを半分くらいズリ下ろされて間抜けな格好になる。ウチに訪問者なんか来ねーけど、もし今だれかが扉を開けたら羞恥死は避けられないな。 「あ、う……」  口に指が突っ込まれて、あーこのままここでヤることになるなと覚悟した。最近はゴムを着けさせる成功率は50%以下になってて、どんどん甘くなっちまってる自分に苦笑する。 「待て、後ろは自分で広げるから」  興奮状態のこいつを押し退けてローションを取りに行くのも難しそうだから、せめて少しでも濡らしておこうと膝をついてショットのズボンもズラして、半勃ちくらいのソレを口に含んだ。 「ん、んぅ」 「ふ……ちゃた……っ」  喉を開くようにして深く飲み込むと吐き気がするけど、最近は大分この刺激にも慣れてきた。 「ふ、ぐっ」 「ちゃたのくち、きもちい」 「ん」  ショットの手が俺の頭を掴む。好きにしていいと言うように目を閉じて力を抜くと、グッと押しつけられた。 「んっ、ぐ……っ、ん、ぶ……」  喉の奥まで異物が入ってきて体が勝手にそれを吐き出そうと痙攣するけど、ショットの足にしがみついて耐える。喉仏が内側から押される度に首の中でジュプジュプと水音が響いた。 「ん、うぅっ、んぐ、ぅ……っう」  好き勝手に喉を犯されながら、口の端から垂れた液体を指に塗りつけて後ろに突っ込む。 「ぅえ゙、ん、ぐっ」  しばらくして顎が外れそうだと思った瞬間、その唾液かショットの先走りか迫り上がってきた胃液か……よくわからないドロドロした液体で濡れたブツが喉から引き抜かれて、壁の方を向かされたかと思うと立ったまま突然挿入された。 「あ、ぅぐ……っ!ん……!!」  咄嗟に壁に手を付いたけど足がガクガク震えて今にも倒れそうだ。 「あっ、あ!く、うぁ、あっ」 「ちゃた、あったかい……」  ぎゅうぎゅう抱きつかれて、後ろのショットに体重を預けるように体を起こすとほとんど持ち上げられてるような格好になって爪先立ちになった。 「う、あっ、あっ……シュートッ、はぁっ」  体重が掛かるからか、いつもより奥まで侵入されてゾクゾクと鳥肌が立つ。 「きもちい?」 「はっ、はぁっ!あっ、ぐ……っ!」  抱きしめたまま揺さぶられて、何も言葉にならなくて、とにかく必死で頷くと満足げに頬を舐められた。いつの間にか勝手に生理的な涙が出てたみたいだ。 「ちゃたろー、すき」 「は、ぁ……シュート」  ピッタリ腰をくっつけた状態で少し動きが止まったから、上半身を捻るように振り返ってキスをする。 「俺も、はぁっ、好きだ」  お互い汗だくで、玄関で、笑えちまう。 「あ、うわっ!」 「ちゃた」 「うぁ、あっ、ぐ……ぅっ!」  腰が引き抜かれたかと思うと馬鹿力で仰向けに引き倒されて、また無遠慮に突っ込まれた。  掴まれた両腕に爪が深く食い込んで、容赦なく与えられる痛みと快感に体が勝手にビクビクと仰反る。 「あっあっ!あっ、あ……シュ、シュート……ッ」  目の前がチカチカしてよく見えない。耳元で獣みたいに唸る声が聞こえたかと思うと首に噛みつかれて、腹の中に射精された。  ***  そうして俺たちは何もかも忘れて"夏を満喫した"わけだが……帰って来たシドニーは俺の様子を見て何かを察したらしく、「俺が高校生になって出て行ったらどうなるの?」と笑われてしまった。 「俺、もし家族が増えるなら弟が欲しいな」 「う……産めません……」

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