現代日本 Xまとめ 01 【小さな交流会】 　シュートには出かける時に必ずヘルプマークを着けさせてる。俺と一緒の外出でも。買い物をしてると、たまに会う子供がそれに興味を示した。 「なあにこれ？」 「ゆっくり話したいってマークだよ」 「え、お兄ちゃんって、喋れるの！？」 　そう聞かれてシュートは小さく頷いてた。 【身を守る術】 　今年も花火の時期がきた。京都暮らしで一番困ることだ。なぜかシュートは特に"破裂音"に弱い。だから普段は外出でしか使わないイヤーマフを手に取る。 「ごめんな、今日は家の中でまで着けさせて」 「ん」 　嫌がらずに装着してくれたから、ご褒美に夜は好きなだけ甘やかしてやった。 【悪夢】 　昼寝中のシュートが急に魘され始めた直後、絶叫レベルの声で俺の名前を連呼するから心臓が飛び跳ねた。 「シュート！」 　慌てて手を伸ばすと全力でしがみつかれて息が詰まる。しばらくして落ち着いたけど、どっと疲れた。 「……はぁ」 　辛い記憶を全部、肩代わりできたらいいのに。 【盗み食い】 「おい、何してんだ」 「んー」 　仕事中、シドニーとシュートの遊んでる音が急に止まったと思って様子を見にいくとキッチンでパンを盗み食いしてやがった。 「どうした、昼メシ足りなかったか？」 　まあ倒れてるとかじゃなくてよかった。半分くれたから、縁側に並んで座って食べた。