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第23話 側近が可愛い

 魔王はシャムルの顎を強引に掴んで引き寄せた。  唇に噛みついて、流れた血を啜る。 「そんなに欲しいなら力尽くで奪えばいい。神力を流して適性を見てやったらどうだ?」  唇から血を流すシャムルの顔をハネシアに見せ付ける。  ハネシアの顔が歓喜に沸いた。 「いいねぇ、挑戦的なヴェル、ゾクゾクする。シャムル、おいで。僕の神力、飲ませてあげる」  意外にもハネシアはシャムルの名前を憶えていた。  今回は本気でシャムルが気に入ったらしい。 「いいや、ハネシアが上がって来い。我と同時にシャムルに力を流し込め」 「何それ、どういうこと?」  ハネシアが怪訝な顔をする。 「口と尻から同時に流し込んでやればいいだろう。ハネシアがしたいなら、二輪挿しでもいいが?」  ハネシアがぐっと唇を噛んだ。 「なんだよ、それ。僕はそうじゃなくて……」  ハネシアが俯いた顔を上げた。  その顔はもう笑っていた。 「いいよ、じゃぁ、僕が口から流し込んであげる。ヴェルはいつも通りに尻から突っ込んであげたら? ハンデだよ」  余裕そうにする顔が子供で、魔王は小さく息を吐いた。 「ならば、それでいい」  シャムルの腕を掴んで強引に引き寄せる。  自分の上に座らせながら、いつものデカちんぽを突っ込んだ。 (あー、気持ちが萎え気味だから勃ちが悪いなぁ)  シャムルを抱く時は常にギンギンなのに。自分でちょっと残念に思う。 「ぁっ……、魔王様、そんな、急に……」  シャムルが息を詰まらせて振り返る。  その顔がもう淫靡で、半立ちちんぽがギンと勃起した。 「んっ、急に大きく、しないでっ……、ぁん、んぐっ」  ハネシアが自分のペニスをシャムルの口の中に容赦なく突っ込んだ。 「ヴェルにばかり善がっていないで、僕のも咥えてよ。上手に舐めてね」  少年体系の割にデカいペニスを突っ込まれてシャムルが涙目になっている。  喉奥まで突っ込まれながら懸命に舌を這わせる顔がエロい。 (フィオナ以外に犯されてるシャムル、ヤバぃ。嫌なのに頑張ってる顔が可哀想でエロい)  無理やりフェラさせられるシャムルの顔がエロ可愛くて魔王のデカちんぽがいつも以上に硬くなった。  腰を打ち付けてシャムルが好きな奥を突いてやると、腰が震える。快楽から逃げようとする腰を抑え込んで、無理やりに突きまくった。 「ん、ぁ……、んっ」  善がってえづくシャムルをハネシアがうっとりと眺めた。 「あぁ、善い顔……。お前をヴェルから奪い取ってやったら、どんなに気分がいいだろうね」  悦った顔でハネシアがシャムルの髪を撫でる。  唾液を零しながらハネシアの腰に縋り付くシャムルが、自分からペニスを奥まで咥え込んだ。 「ぁ、も、イキそ……」  ハネシアが顎をあげる。 「なら、我も出すか。シャムル……」  抱きしめるシャムルの背に身を添わせて耳元で吐息を吐いた。 「嫌がるお前を抱くのも、興奮する。可愛いぞ」  シャムルの尻穴と中が、きゅぅっと締まった。  魔王のデカちんぽを締め付けるシャムルの中がいつも以上に気持ちが善くて、いっぱい出た。 「はぁ、ぁっ、出すから、全部飲めよ……」  ハネシアの腰が強張って、シャムルの口の中に射精した。  出された精液をシャムルが飲み込む。瞬間に、ハネシアがシャムルの両耳を手で覆って神力を流し込んだ。 「これくらいは、良いよね。腹の中に出した魔力の方が、影響が大きいでしょ」 「ぁっ……、ぁぁっ……」  流し込まれた神力で、シャムルの体がビクビクと震える。  瞳が揺れているから意識が飛んでいるのだろう。 「ハンデはどうした」 「充分、ハンデじゃない? ヴェルは普段からシャムルの中に出しまくってるんだから」  シャムルの体が金色に光るのと黒く染まるのを繰り返す。  神族化と魔族化の間で揺れているんだろう。 「どっちに転ぶかなぁ。楽しみだねぇ」  勝算がありそうなハネシアの笑みを眺めて、魔王はシャムルの体を抱いた。  胸に埋め込んだ血の結晶をするりと撫でる。   「魔王、様……」  シャムルが自分から魔王に唇を寄せた。  血の結晶が黒く光って、シャムルの体が魔族の姿をとどめた。  脱力したシャムルの体が魔王に凭れ掛かった。 「どうやら吾の勝ちのようだ。シャムルはやれんな」  薄らと笑みを向ける。  ハネシアが信じられない顔をした。 「なんで……。光の加護を流し込んだのに」 「さぁ? 我の与えた血の結晶で消えたのではないか?」  魔王の魔力を毎日腹に注ぎ込まれているから、どんな神力を使われても負けはない。というシャムルの提案で挑んだ勝負だったが。  相変わらず手段を選ばないなぁと、魔王はぐったりした。 「狡い、狡いよ! 最初から何か、細工したんだろ? 神の加護が効果ないなんて、有り得ない!」 「魔王様の魔力が勝った。それだけですよ、ハネシア様。血の結晶は魔王様の加護のようなものです」  後ろから声がして、魔王は覗き込んだ。  大天使アレイラが立っていた。 「アレイラ……。違うんだ、僕はただ、天使不足を解消するために奴隷を分けてもらおうと思って」  ハネシアが慌て気味に弁明している。  アレイラがハネシアに並び立った。 「今回もハネシア様が勝手に魔王城を荒らすような真似をしてご迷惑をおかけいたしました。主に代わり謝罪いたします。常闇の神ヴェルヴァラント様」  アレイラが丁寧に頭を下げる。 「その名前は呼ばないで欲しいなぁ……」  アレイラがハネシアの頭部に手を当てる。  敵愾心むき出しだった目が上転してハネシアが気を失った。  崩れた体をアレイラが抱き止めた。 「奴隷は、いる? 一人ならあげるよ」 「そうですね。天使不足は確かなのですが。必要であれば一報を入れて出直します」  アレイラが気を失ったハネシアを抱き直す。 「ハネシア様は神といえど、まだ幼い。貴方に構ってほしくて仕方がないのです。大事にされている側近が羨ましかったのでしょう。人間を魔族にして側近に使うなど、貴方らしくもありませんから」  そうは言われても、魔王的にはただの気分なのだが。  気に入る人間などそういるものでもないから、今までたまたまいなかっただけだ。 (ていうか、ランドールに嫉妬しないのはなんでだろ。ランドールも元人間なのにな)  すっかり魔族っぽい顔と性格になっているから、忘れているんだろうか。 「普通に遊びに来てくれたら、普通にお出迎えするから。ハネシアに伝えておいて」  魔王は疲れてぐったりした。  アレイラが面白そうに笑った。 「普通に。そうですね。魔王様とエッチしたいなんて、ハネシア様は言えませんからね」  それもそうだろうなと思う。  大昔、戯れでハネシアを抱いてから、付き纏いがウザい。  また抱いたら、また遊びに来てしまうので、それ以降はやめた。 (ハネシアはネコだから、シャムルに二輪挿しは絶対しないだろうと思っていたけど)  魔王の腕の中で気を失っているシャムルを眺める。  ハネシアに嫌々フェラしているシャムルはエロ可愛かったな、と思い出す。  招かれざる来客にうんざりしつつ、シャムルの可愛さとエロさを再確認して満足した魔王様なのでした。

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