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第24話
帰りの車でもリンは頭が爆発しそうだった。
後部座席にずるずると座り込むや否や、全ての情報を遮断するために目を閉じ、さらに瞼を手のひらで覆った。
指先は冷えきっていて、顔に当てると気持ちよかった。慣れない感情に振り回され、熱が出ているのかもしれない。
あの後、ロウは鎮静剤を打たれ、引きずり込まれるように別の車に乗せられていった。
セトたち研究員は、ずっと話し合っていた。おそらく、今後の自分とロウについて。
その中で、抱いてしまった疑問がずっとぐるぐると廻り続ける。
――人間はね、感情で動く生き物なんだよ
それならさ、兄さん。感情を移していく僕は、一体何になろうとしているんだろう。
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