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スモーキーミルク【22】

「やひ……さ……」  温かなベッドの中で何者かが八尋の身体を(まさぐ)ってきた。 「八尋さん……」  その誰かが八尋を優しく呼ぶ。 「ん……のぞ……む……」  八尋はそれが誰なのかすぐにわかった。  これは最近よく見る夢だ。 「八尋さん」 「の、ぞむ……」  この望は夢の中の望だ。だから何をしてもいいし、何を言ってもいい。八尋はパジャマ越しに這い回る望を手に自分の手を重ね、胸へと導いた。 「八尋さん……僕にミルクを飲んで欲しいんですか?」  望は耳元で囁くように尋ねてくる。 「ん……の、んで……ほし……」 「やらしい……自分からお願いするなんて」  クスクス笑う望の手がパジャマの中に入り、腹をじかに撫でながら胸へと上がってくる。 「ん……はぁ……」  甘く漏れる吐息を吸い込むように望が口づけてくれた。それと同時に胸の突起を摘まれる。 「んっ! ぁん……」 「乳首、勃ってますね……」  唇を合わせながら望が囁き、その突起を指先でクリクリと転がしてくる。八尋の腰が跳ねた。 「はぁんっ! 望っ! は……やくっ」  八尋がねだると望はパジャマをたくし上げ、胸へと顔を近づけた。 「八尋さんがこんなにやらしいこと考えてるって、現実の僕が知ったらどうなるんでしょうね」 「はぁんっ! い、言うな……」  八尋がその虚構の望に抗議すると、望はそれを無視するように、八尋の乳首をちゅっと吸った。 「んんんっ!!」  搾乳器で吸われるのと同じ感触。だが望の唇がそれをしていると思うと八尋はひどく興奮した。胸からミルクが溢れ出る感覚がする。  じゅるじゅるとミルクを吸い上げながら、望の手が八尋の尻を撫でてくる。するといつの間にか剥き出しになっていた尻の谷間を望の指がなぞってきた。 「はぁんっ!」 「ここも、犯されたいって思ってるんでしょう?」 「んっ……望……」 「言ってください。今の僕になら何を言っても許されますよ」  望の黒い瞳が誘惑してくる。誰もが認める整った甘い顔で。八尋はうっとりと望を見つめた。いくら見ても許される。これは夢なのだから。 「……望……好き……だ。お願い……入れて」  八尋が懇願した途端、後孔に望の中心部がズブブブと入り込んできた。 「はあああぁんっ! 望っ!」  痛みはなく感じるのは強烈な快感だけだ。さらに望は八尋の蕾を蹂躙しながら胸も吸う。八尋はあまりの快感に自ら身体をくねらせ望に縋り付いた。 「望っ、好き……好きだ……」  八尋は我を忘れて呟き続けた。  しかし、夢の中の望でも八尋が一番欲しがる言葉を言ってはくれなかった。

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