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スモーキーミルク【28】
「八尋さん、申し訳ないですが、やっぱり貴方では満足できませんでした」
望が困ったように笑いながら、ナイフのような言葉を投げつけてきた。胸にズブリと刺さったその言葉。八尋は痛みに気付かないフリをして笑顔を作る。
「だよなー。そりゃそうだよなー」
八尋の激痛など気付いていない望はさらに笑顔で続けた。
「やっぱり若いΩの方が良いです。可愛いし肌も瑞々しいし。それにほら、この乳首。ぷっくり大きくて……いいでしょう?」
途端に目の前に現れたのは望に背中から抱き締められた若い男。
「た、環くん……」
施設で会って八尋に優しく接してくれた環。
誰もがイメージするような美しく可愛いΩ。その環が全裸で望に撫で回され、恍惚とした表情を浮かべていた。
「貴方のその粗末な胸と違って、ほら、とっても美味しそうだ」
望はそう言い環の赤い胸の突起に唇を寄せ、ジュルッと音を立ててそこを吸い上げた。
「はぁんっ! 気持ちイイ……っ」
望に胸を吸われ環がうっとりと喘ぐ。
八尋は笑顔を作れなくなり、その場にへたり込んだ。
「や、やめてくれ……っ! そんな所、俺に見せるなっ!」
八尋は顔を伏せて耳を塞ぎ、望と環のその光景から逃げようとした。しかし望はそんな八尋に笑いながらさらに話しかけてくる。
「否定しながらもどこかでやっぱり期待してたんでしょう? 僕が貴方を好きになって、いつかは胸を吸って、さらには抱いてくれるかもって」
「お、思ってないっ!」
八尋は叫ぶように否定した。
塞いだ耳からは望の声とともに環が喘ぐ声も入ってくる。
「嘘。だって夢の中では散々僕に抱かれて喜んでたじゃないですか」
「ゆ、夢くらい、いいじゃないかっ!」
「アハハ! 夢くらいねぇ。七つも下の後輩に抱かれたいなんて、思うだけおこがましいですよ。出来損ないのΩの貴方が」
望の言葉に八尋はヒュッと息を詰まらせた。
「八尋さん、ほら顔をあげて。ちゃんと現実を見て」
八尋は望の指示に逆らえずゆっくりと顔を上げた。
そこには環を背後から犯す望の姿。
「あんっ、あぁんっ、イイっ! もっと奥ぅ」
真っ白な肌にぷつりと勃った胸の赤い実からはミルクが滴っている。尻の奥深くに望を受け入れ幸せそうに環は喘いでいた。
「ほら、これが本来の若くて可愛いΩですよ。ミルクもあと二十年は出せるし、ちゃんと子どもも孕めそうだ。貴方と違って……」
望が笑いながら突きつけてくるその光景。
八尋の目からは涙が溢れて出た。
「も……、やめ……」
「貴方は三十年以上もヒートが来なかった出来損ないなんですよ? 夢見ることすらおこがましいと思わないんですか?」
さらにクスクス笑う望の声と、快楽に喘ぐ環に向って八尋は耐えきれず叫んだ。
「やめろぉぉぉ!!!」
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