ただ泣きながら揺さぶられてたら、ナカからずるりとカイザルさんのが抜かれた。 あ、よかった、終わった･･･？ 「おてて外してあげるね」 そう言って俺を引き起こし、ワイシャツで縛られた腕を自由にしてくれた。 だからと言って、俺にはもう抵抗する気力は残ってない。 腕が楽になって、ちょっとほっとしていたら、カイザルさんが俺の両膝裏に手を入れて持ち上げた。 身体が浮いて、慌ててカイザルさんの肩にしがみ付く。 「ぇ、な、なに･･･？」 「奥まで挿(い)れさせて」 「ひ────っ！！？」 がくん、と落とされた。 さっきまでの行為で少し緩んだソコを、カイザルさんのデカいのがずぶんと奥まで貫く。 息、できない。 これ、絶対、入ったらだめなトコまで、入ってる。 お腹重い･･･。 「･･･かはっ･･･あ"ぐ･･･、ぅゔゔ･･･っ」 「璃都(りと)、わかる？ほら、ここまで･･･璃都の子宮まで挿入(はい)ってるよ」 「や"ぁっ･･･おなが、さわ･･･なぃれ･･･っ」 カイザルさんが、なぜか嬉しそうに俺の腹を撫でる。 わかる、触らなくても、ソコまで入ってるって、わかるから･･･。 「ひぃ･･･っ、ぅあっ、あ"っ！」 下から突き上げられ、ナカをぐぽぐぽこじ開けられる。 俺はただ、カイザルさんにしがみ付いて耐えるしかできない。 「んゔぅっ、ゔ･･･ひぐ･･･っ」 「璃都、可愛い。子宮でもぐもぐできて偉いね」 だから、俺に子宮なんて、ないんだってば。 お腹ぐぽぐぽすんのやめて。 頭おかしくなりそ･･･。 「はぁ･･･っ、璃都･･･璃都･･･っ」 「ぃあ"っ！？」 カイザルさんが俺の首に強く噛み付きながら、ベッドに押し倒してきた。 腰を掴まれ、ばちゅばちゅと激しく打ち付けられる。 「やぁっ、あっ、ひ･･･ぅゔっ！」 「･･･射精(だ)すよ璃都っ、璃都の、子宮に･･･っ！」 「ひぐ────っ！」 奥の奥をごりっと抉られて、イってしまった。 まさか、こんな事されて、触ってもないのにイくなんて･･･。 俺のカラダ、どおなってんの･･･。 「んぅ･･･ぅあ、あ･･･やぁあっ」 カイザルさんの射精が始まった。 腹の中にどぷどぷと熱が流れ込んでくる。 確実に孕ませようとしているみたいな、容赦のない･･･。 「･･･ぅ、･･･もぉ･･･ぬ、ぃて･･･」 「まだ出てるから、いい子にしてて」 ぐりぐりと腰を押し付けられる。 苦しい･･･長い･･･まだ･･･？ オオカミの射精って、長いんだっけ･･･。 だめだ･･･気絶しそう･･･。 「璃都、俺の璃都･･･愛してる」 カイザルさんにぎゅっと抱きしめられながら、俺はゆっくり気を失った。 ─────── 「璃都、目が覚めた？」 「･･･ん･･･ぁ、おれ、ど･･･して･･･？」 目が覚めたらバスルームだった。 広いバスタブで、カイザルさんを背もたれにした状態。 「いっぱいナカ出しされて、びっくりしちゃったのかな。なかなか起きないから心配したよ」 ああ、あれ、夢とかじゃなかったんだ。 現実だったんだ。 俺カイザルさんと、セックス、しちゃったんだ･･･。 「･･･ぁの、か、カイザルさん」 「璃都、俺の事はカイって呼んで」 会ったばかりなのに愛称呼び･･･。 獣人は、番と認めた相手との距離がすごく近いって、本当なんだな。 「･･･カイ」 「ん？なあに璃都」 「ほんとに、アパート、解約したんですか･･･？」 「したよ。アルバイトの契約も終わらせるから。ああ、でも、璃都が辞めたくないって言うなら学校は通わせてあげる。特待生で入学して、ずっと成績トップで頑張ってるもんね」 ･･･なんで知ってるの？ 将来独りで生きていくためにも、ちゃんとした学歴は必要だと思ったから、公立で偏差値の高い有名な高校に入ったんだ。 バイトしてお金貯めて、奨学金も貰って大学まで行こうと思って･･･。 「学校へは車で送迎するから。寄り道も俺と一緒じゃなきゃだめだよ」 そう言って、俺の耳元にちゅっとキスしてくるカイザルさん･･･改めカイ。 監禁はされないみたいで、良かったと言うべきだろうか。 でも、アパートもバイトも勝手に解約されて、これからは行動を制限される･･･。 これ、犯罪とかにはならないの？ 拉致監禁ってやつじゃない？ やっぱ隙を見て、交番に駆け込んだ方がいいんじゃ･･･。 「そろそろ上がろうか」 カイに抱き上げられてバスルームを出る。 身体拭いたり着替えたりは、大変だった。 俺がまともに立てなかったから。 自分でやろうとしてもうまく出来ないし、カイはあれこれ世話を焼きたがるし･･･。 「あの、俺自分で･･･」 「いいから、やらせて」 噛まれた首の傷にも、薬を塗ってガーゼをあててくれて･･･その上からちゅってキスされた。 結構本気で噛まれたっぽい･･･めっちゃ痛い･･･。 それにしても、獣人は人間よりあらゆる分野で優れてるって言うけど、ほんとに何でも出来るんだな。 手際もいいし、俺の事も片手で抱き上げちゃうし。 俺だって身長は170cm、体重も確か55kgくらいあったはずなのに･･･。 「ここでちょっと待ってて」 白を基調とした、カウンターキッチンのあるリビングダイニング。 ふかふかのラグが敷かれたリビングスペースのソファに下ろされ、いつの間に持ってきたのか大判のブランケットを肩から掛けられた。 「ハーブティーとホットミルク、どっちがいい？」 「え･･･と、じゃあ、ハーブティーを･･･」 「ん、了解」 カイは俺の額にちゅっとキスを落とし、カウンター向こうのキッチンへ向かった。 ･･･おでこにキスとか、初めてされたんだが。 いや、そもそもキス自体、公園でカイにされたのが初めてだった。 当然、セックスも･･･。 「ぅぅ･･･こんな事になるなんて･･･」 ソファの上で膝に顔を埋め頭を抱える。 俺、これからどうなるんだろ･･･。 とりあえず学校は通わせてもらえそうだから、学校では今まで通り過ごせるのかな･･･。 「お待たせ。はい、どうぞ」 「ぁ、ありがとうございます･･･」 高そうなティーカップを渡される。 あったかい･･･いい香りする･･･。 「璃都、敬語もやめて。俺たちは番なんだから」 「･･･ゎ、わかった」 がんがん距離詰めてくるじゃん。 俺、そーゆーの慣れてないんだけど･･･。 「璃都は星が好きなの？」 「･･･うん」 公園で肉まん片手に星空眺めてたの、見られたからかな。 天体観測なんて本格的にした事はないけど、星空をぼーっと眺めるのは好きだ。 お金もかからないし。 「寒いけどちょっとだけ、バルコニーに出てみる？」 この部屋からバルコニーに出られるらしい。 お言葉に甘えて案内してもらった。 カイに姫抱きにされ、ガラス扉から外に出る。 「そうだ、璃都用に望遠鏡を買おう。ああ、雨の日用に地下のシアタールームをプラネタリウムにしてもいいね」 望遠鏡･･･プラネタリウム･･･俺が星が好きだからってそこまでしなくても･･･。 想像してたよりずっと広いバルコニー。 BBQとか出来そう。 俺、BBQなんてやった事ないけど。 「寒くない？」 「大丈夫」 カイは俺を2人掛けのハンギングチェアに下ろし、隣に座った。 クッションがふかふかで、公園のベンチなんかよりずっと座り心地がいい。 星も、よく見える。 「バルコニー(ここ)でなら、いつでも好きな時に星を見ていいよ。寒い日は必ず暖かい格好をする事。わかった？」 「･･･うん、わかった」 カイがにこっと笑って、また俺にキスする。 唇が触れるだけの、優しいキス。 ･･･最初もこれくらいがよかったんだけど。 「璃都が風邪ひいたら大変だから、今日はここまで。ベッドに戻ろう」 また軽々と抱き上げられてしまった。 俺の男としてのプライドが･･･。 まあ、歩けなさそうだし、助かるんだけど･･･。 「･･･あ、さっきの寝室？」 「そうだよ。ベッドは綺麗にしたから、安心して？」 「･･･っ、どーも」 俺よりそっちのがいっぱい出したじゃん。 ･･･あんなにされて、よく生きてたな、俺。 「ゆっくり眠って。起きたら家の中を案内するね」 「ぅん･･･今って、何時？」 「もうすぐ2時。寝坊しても怒らないよ」 ベッドに横になり、カイの腕枕で寝かし付けられる。 優しく頭を撫でられ、指で髪を梳(す)かれ、だんだん瞼が重たくなってきた。 「おやすみ、俺の璃都」 暖かく力強い腕の中で、俺はゆっくりと眠りに落ちた。