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第10話*

さっき着たばかりのスウェットと下着を脱がされ、ベッドの上でうつ伏せに抑え付けられてる。 腰を高い位置で固定され、またアソコに舌を入れられて・・・。 「やあっ、なめ・・・の、やだぁっ」 「怪我させたくないんだ、もうちょっと我慢して」 「んっ、ぅ・・・っ」 シーツをぎゅうっと握り、羞恥と違和感に耐える。 も、もぉ・・・いいから、もう・・・っ。 「璃都(りと)、ここ舐められるの好き?こっち、涎垂らしてる」 「ひゃっ!?」 くちゅ・・・と急所を握り込まれ、びくっと身体が跳ねた。 「こっち弄ってイかせちゃうと、体力持たなくなっちゃうだろうからやめておこうか。()れるから、ナカで気持ちよくなろうね」 「ぁ、あ・・・やぁ、あ────っ!?」 ぐぶ・・・と、後ろから、熱を押し込まれる。 躊躇なく、奥へ、奥へと。 「・・・は、・・・はぁ・・・っ、ひぁ・・・あっ」 「うん、じょーず、いい子だね」 「んゔぅ・・・ぅ・・・っ」 く、苦しい・・・っ。 もう奥あたってる・・・けど、まだ全部入ってない・・・んだよ、な・・・。 なんでこんなおっきいの・・・っ。 「はぁ・・・っ、璃都・・・動くよ・・・っ」 「ゃらっ、まって・・・んあっ!」 挿抜が始まった。 俺はただ、奥を突かれる度に悲鳴みたいな声をあげて、揺さぶられるだけ。 「ひっ・・・ぅあ・・・っ、あっ・・・ひぅっ!」 「璃都・・・っ、可愛い・・・もっと奥まで()れさせて・・・っ、璃都の子宮・・・犯させて・・・っ」 ない! 子宮なんてないってば! それ以上奥に入れないで! こじ開けないで・・・っ! 「やあ"っ・・・ゔ・・・あ"っ」 ぐぼ・・・と、腹まで侵入(はい)ってきた。 オカシくなってる俺のカラダは、その衝撃でイってしまい、ぐりぐりと腰を押し付けられ、がくがくと身体が震える。 俺の腰を掴んでいたカイの手が、シーツに爪を立てる俺の手に重なり、ぎゅっと握った。 後ろから覆い被さってきたオオカミは、俺の(うなじ)に噛みついて、激しく腰を打ちつけ始める。 「あ"───っ、やぁあ────っ!」 これって、もう、セックスじゃなくて、交尾なんじゃ・・・。 気が遠くなりそうになってきた頃、カイが俺をぎゅうっと抱き込んで、ナカに熱を叩きつけた。 出てる・・・ナカに・・・ごくごくと、腹に直接飲み込まされてるみたいだ・・・。 「璃都・・・っ、俺の・・・璃都・・・愛してる・・・っ!」 「ふゔ・・・ぅ・・・っ」 頸の噛み痕をべろりと舐められて、またがぶりと噛みつかれる。 ぞくぞくとした痺れが(はし)り、俺はまたイってしまった。 うそ・・・まさか・・・噛まれて、気持ちいいなんて・・・。 「噛まれながら種付けされて、イっちゃったね」 (うるさ)い、言うなっ! 変態オオカミめっ! 「俺はまだ1回だから、まだまだ付き合ってよ、璃都」 俺・・・番に・・・殺されるかも・・・。 ─────── 「璃都、水飲もう」 「・・・ん"ぅ」 「喉痛いよね。いっぱい()かせたし」 「・・・ゔぅ」 「ほら、おいで」 なにが、おいで、だ。 もう指1本動かせる気がしない。 ベッドの上に仰向けで寝転がって、息してるだけでも俺は偉い。 「抱っこしてあげる。水飲もうね」 俺を抱き起こして膝上に乗せ、ペットボトルのミネラルウォーターを(あお)ると、口移しで飲ませてくるカイ。 抵抗する気力もないので、素直にこくりと飲み込んだ。 「・・・ん、・・・も・・・とぉ」 「素直で可愛い」  今何時だろ・・・。 ヘッドボードに置いてある時計を見ると、2時半・・・。 俺、ほんと、よく生き抜いた・・・。 「へんたいおーかみ・・・」 「お褒めに預かり光栄です」 「ほめてない・・・」 「そう?」 俺の頭を撫でながら、にこにこと嬉しそうなカイ。 ご機嫌オオカミ・・・。 「このままじゃ眠れないからシャワー浴びよう。璃都は寝ちゃってもいいよ。俺が全部やるから」 「ん・・・」 当然お任せしますとも。 シャワーで身体だけ綺麗にして、丁寧に拭いてもらい、服も着せてもらう。 抱き上げられ寝室に戻り、ベッドと反対側に置いてあるカウチにそっと下ろされた。 カイは手際よくシーツを交換して、あっという間にベッドメイクを済ませる。 「かんぺきおーかみ・・・」 「いっぱい褒めてくれるね。そんなに気持ちよかった?」 黙ってれば完璧だったのに。 「へんたいおーかみ・・・」 「ふふ、(よろこ)んでもらえたようで良かった」 もー眠い。 ベッドにごろんと横になりたい。 シーツに沈みたい。 「ん」 「・・・っ、可愛い・・・!」 ベッドまで運んで欲しくて手を伸ばしただけなんだけど、喜んでもらえたようでなにより。 片手で軽々抱き上げられ、もう片方の手であやすように背中を撫でられる。 「抱っこのおねだりなんて・・・俺以外にしたらどうなるかわかってる?」 「カイにしかしない・・・」 「いい子」 ベッドに寝かされて、隣にカイが横になる。 そっと抱き寄せられ、頭を撫でられながら、抗えない睡魔に身を委ねた。 ─────── んー・・・なんだろー・・・これー・・・きもちー・・・もふもふー・・・。 「・・・もふ、も、ふ?」 目を覚ますと、腕の中にカイの頭が。 俺、寝ながらカイの頭撫でまわしてたみたい。 髪はさらさら、耳はもふもふ、これは放し難い。 「璃都、起きた?」 「・・・うん」 「30分くらい俺の耳を(もてあそ)んでたよ」 「不可抗力」 「ふふっ」 時計を見ると・・・11時過ぎてる・・・。 しっかり寝たから、だいぶ回復したな。 「お腹へった」 「そうだね。何食べたい?」 「・・・チャーハン」 「お任せください、お姫様」 身体を起こし、ぐーっと伸びをしてからベッドを下りる。 カイと洗面所に行き、顔を洗ってからキッチンへ。 手伝おうかとも思ったんだけど、無体(むたい)()いられた俺はカイに任せる事にした。 キッチンカウンターに頬杖を突いて、完璧オオカミを観察する。 炊飯器でご飯を早炊きしている間に、中華スープを作ってる。 たまごとワカメの中華スープだ。 ご飯が炊けたら蟹缶を取り出して、カニチャーハンを作るらしい。 「カイ・・・なんでそんなに完璧なの?」 「ん?そう?」 「イケメンなのに何でも出来て・・・苦手な事とかないの?」 「璃都を抱く時の手加減」 「黙って」 本気でカイの弱点見つけたくなってきた・・・。 「虫が苦手とか?」 「特に苦手ではないな」 俺は虫、苦手なんだけど・・・。 「泳げない?」 「それなりに泳げるよ」 俺は25mも泳げないのに・・・。 「長距離走が苦手?」 「俺、ハイイロオオカミの獣人だよ?走りは短距離も長距離も得意」 俺は走る事自体苦手・・・。 「・・・完敗です」 「ふはっ、俺と璃都じゃ勝負にならないよ」 む・・・むかつく・・・そんなのわかってるけど・・・。 「俺は璃都には絶対に敵わない。璃都に(ひざまづ)けと言われたら迷わず跪くし、死ねと言われれば死ぬ」 「なっ・・・し、死ぬなんて言うなっ!」 急になに言ってんの!? 俺がそんな事言う訳ないのに! 「それくらい、俺には璃都が全てって事。恐い?」 「・・・恐い」 「ふふっ」 笑い事じゃないっ。 まったく・・・。 出来上がったチャーハンと中華スープをカウンターに並べ、カイが隣に座る。 「いただきますっ!ふー、ふー・・・んむっ・・・んーっ!」 「美味しい?」 「んーひぃっ!」 「はぁ・・・っ、それ、今度動画撮っていい?」 「だめ」 まったく、なんで俺が飯食ってるとこなんか撮りたいんだ・・・。 ・・・あっ、動画で思い出した。 「俺のスマホってどこ?」 「解約した」 「・・・は?」 アパートやバイトだけでなく、スマホまで解約した、だと・・・? なんで? スマホを解約する必要はないよね? 「なんでスマホまで解約したの?」 「璃都と誰かが連絡を取り合うなんて許せないから。本当はスマホを持たせる気はなかったけど、シグマが俺との連絡用に持たせるべきだって、新しいスマホを用意したんだ。俺と、念のためシグマの連絡先が登録してあるけど、他は入れちゃだめだからね。はい、これだよ」 どこから取り出したのか、最新機種のスマホを渡される。 しかも色がペールピンク・・・。 ・・・いや・・・いやいやいや、やり過ぎっ!! 「ストーカーオオカミっ!」 「璃都をストーキングするの、生き甲斐なんだ」 「もっといい趣味探そう!?」 カイの弱点探すより、ストーキングを辞めさせる方が先だな・・・。

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