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第23話*

「ゃ、カイっ、だめ・・・っ」 「りぃ、かわいぃ、いぃこだね、おいしそぉ」 「まだ家着いてないっ!ここ車っ!」 酔っ払いオオカミが俺の頬やら首やら舐めながら、服を脱がそうとしてくる。 お願いだから、せめて家に着くまで大人しくして! 「カイザル様は酔うと無口になられるはずなのですが・・・璃都(りと)様がいらっしゃると、そのようになってしまわれるのですね・・・恐らく、満足すれば寝てしまわれると思いますので、璃都様・・・よろしくお願いいたします」 「ええ?シグマはカイ(これ)の面倒・・・んっ、見てくれなっ、あぅっ・・・」 家に着くと、酔ってるくせに足取りはしっかりしてるカイに抱き上げられた。 シグマから「ご武運を」と言う言葉をかけられて、玄関に入る。 ・・・俺はどう闘えばいいの? 勝てる見込みある? 「ふふ、りぃ、俺の、おいしそぉなりぃ」 「んっ、カイ、ほら、ベッド行こう。もう寝よう?ね?」 カイは幼児退行ぎみだから、なでなでして寝かし付けちゃおう。 俺を抱いたままだけど、ちゃんと階段上がれるかな・・・。 1階の客室のベッドで寝かせようかな・・・。 「んー・・・りぃはベッドでシたいの?俺はここで食べちゃいたいなぁ」 「はぇ?ちょ・・・まっ、待って、だめだってば!」 靴を脱いで玄関ホールに上がり、俺をオケージョナルテーブルに下ろすカイ。 そして、靴を脱がせる前に、俺のズボンと下着を下ろしてしまった。 「なっ!?」 「りぃは舐められるの好きだよねぇ」 「んぁっ・・・や・・・ここじゃ・・・っ、やぁっ」 酔っ払い変態オオカミが俺のお尻舐め始めた・・・。 しかも・・・執拗(しつこ)い・・・! 「・・・ゃらあ・・・んっ・・・もぉ、やぁ・・・っ」 「かぁわいぃ。ここ、欲しいって言ってるねぇ。ナニが欲しいか言ってごらん?」 「ひぅ・・・んぅぅ・・・」 言わないとずっとこのまま続けられそう・・・。 だからって・・・そんな事・・・言えない・・・。 「ゃだ・・・いえ・・・な・・・」 「言って、りぃ。大好きなカイのおちんちん欲しいって」 酔っ払い変態オオカミほんとタチ悪いっ! くそ・・・明日絶対償わせてやるっ! すっごい我儘言って困らせてやるっ!! 「・・・ほし・・・だぃすき・・・かい・・・ぉちんちん・・・欲しいぃ・・・っ」 「よくできました」 「んっ、ぁああ"っ!」 いきなり深い・・・っ。 ばかばか変態オオカミっ! 「ひぁっ・・・あぅ、んっ」 「はぁ・・・りぃ、かわいぃ・・・っ、りぃ、俺の璃都・・・っ!」 「あっ、あうっ・・・んゃ、ああっ!」 奥を突かれまくって、俺がイって、そのまま膝裏に腕を入れて持ち上げられる。 落とされないようにしがみ付くと、カイはそのまま歩き出した。 「や、まってぇ・・・ぬ、ぬいて・・・っ」 「やぁだ。このまま朝まで抜かない。頑張ろうねぇ、りぃ」 「むっ、むりぃ・・・っ」 カイは抜かないまま階段を上がり、俺は1段上がる度に悲鳴をあげてしまう。 なに、この拷問・・・。 ヤバい・・・変になる・・・。 「んぁっ・・・んっ・・・んぅっ・・・ひぅっ・・・」 「ふふ、階段きもちぃ?」 変態へんたいヘンタイっ! 仕返ししたい! オオカミやっつけたい! ヤられっぱなしは嫌だ!! 「ゔぅ、カイの・・・っ、ばかぁっ」 階段を上がりきったところで、オオカ耳をむぎゅっと掴んで引っ張る。 弱点じゃなくたって、耳引っ張られたら痛いはずだ。 なんとか一矢報いたい。 「りぃ、俺の耳好きだねぇ。俺もりぃの耳好きだよ。食べていい?」 「だっ、だめ・・・んぃっ!?」 かぷかぷと耳に噛み付かれ、身体がびくっと反応して、ナカを締め付けてしまう。 あ、だめ、それ、だめ・・・。 「ひぁあっ・・・やぁ・・・っ」 「ナカきゅうってなった。お耳弱いねぇ。かわいぃ」 「やらぁ・・・もっ、ぬぃてぇ・・・っ」 寝室に入りベッドへ押し倒され、キスしながらゆっくり抜き挿しされる。 これ、好き、気持ちい・・・って、とろんとしてちゃだめだ! 酔っ払いオオカミを寝かせなきゃ。 「んっん・・・かい、もぉ・・・」 「ん?もっと奥?りぃは子宮に欲しいのぉ?」 「やぁっ、ちが・・・んゔっ!?」 そこ子宮じゃない、侵入(はい)っちゃだめなとこっ! 俺の腰を固定して、本気で腰を打ち付けてくるカイ。 こうなったら何を言っても、子宮(ナカ)射精()すまで止まらない。 シグマは、満足したら寝るって言ってた。 きっと射精()せば寝る・・・そうじゃないと困る・・・! 「んぁあっ、ひぅ・・・んゔぅ"・・・っ」 「りぃ・・・っ、愛してる・・・っ、俺の璃都・・・っ!」 「ぁあ"────っ!」 そこから、俺の記憶は曖昧だ。 ─────── 「璃都、おはよ」 「・・・んぅ・・・あれぇ・・・朝ぁ・・・?」 「朝になったから、抜いたよ」 「・・・、んなっ!?」 ほんとに朝まで挿入()れてたの!? 嘘でしょ、俺のお尻バカになっちゃう! 「酔っ払いバカオオカミっ!もうお酒禁止っ!」 「ふはっ、ごめんごめん、自重します」 ほんとかなぁ。 それにしても、身体もベッドも大変な事になってる・・・。 俺は力尽きて、カイは満足して、ヤりっぱなしで寝ちゃったんだな・・・。 「お風呂入ろうか」 「ぅん・・・俺、立てないんですけど」 「ふふ、だろうね」 笑い事じゃないんだが? 今日は土曜でカイも休みみたいだし、すっごい我儘言って困らせると誓ったし、さっそく実行しよう。 「抱っこして。お風呂入れて」 「可愛い・・・仰せのままに、お姫様」 俺を姫抱きし、バスルームへ向かうカイ。 そう言えば、この酒弱オオカミは二日酔いとかしないのだろうか? 「カイは、頭痛いとか胃がムカムカするとか、ないの?」 「ないよ」 「へー。シグマが言ってたけど、酔うと無口になるんじゃなかったの?」 「それは・・・酔う度にあの時の記憶が頭の中ループして、暴れ出したいのを抑えるので精一杯で・・・会話なんて出来る状態じゃなかったから、かな」 暴れ出したくなる記憶・・・って、どんなトラウマなんだろ。 聞いてもいいのかな。 「あの時の記憶・・・って?」 「俺に(うなじ)を噛まれた幼い番が泣きながら走って逃げてく記憶」 「・・・それかー・・・」 だって俺、5歳だったし・・・。 血が出る程噛まれたら、恐くなって逃げるの当たり前だよね・・・。 たぶん、本気で食べられちゃうって焦ったんだ・・・。 「責めてないよ。今はこうして俺のモノだし。酔ってあんなに気持ち良くなれたの、初めてだったなあ」 「最初で最後だぞ」 「ふふ、璃都が20歳(はたち)になったら、一緒にお酒飲もうね」 弱い癖に禁酒しないつもりか。 そっちがその気なら、こっちも我儘放題するぞ! 「今日は俺が王様です!」 「承知いたしました女王様」 なんで女王に・・・。 まあいいや。 「お風呂出たら朝ご飯はフレンチトーストがいい!」 「かしこまりました」 「食べたら勉強するから邪魔しない事!」 「・・・陛下、フレンチトーストにバニラアイスを添えましょうか」 「早速命令を無視しようとするぅ」 至れり尽くせりのお風呂タイムを終え、スパダリオオカミが作った完璧なフレンチトーストを食べ、勉強しに書斎へ行く事にした。 まだ足元が心許ないので、抱っこをせがもうかと思ったけど、ふと思い出した。 「ねえ、おんぶして」 「ふふ、いいよ」 俺、おんぶってしてもらった記憶ない。 同年代の子たちが親にしてもらってるの見て、羨ましかったけど、施設の人には頼めなかったし。 「・・・おお」 抱っことは違う・・・カイの広い背中にくっついて身を委ねる感じ・・・なんか落ち着く。 「おんぶ・・・いい・・・」 「気に入った?可愛くて下ろせなくなっちゃうな」 「書斎で下ろして」 「ええー」 はいよーカイザル号な気分で、オオカ耳をもにもにしていると、カイザル号はダイニングを出てなぜか階段を下り始めた。 カイザル号よ、書斎は2階だぞ? 「ちょっとどこ行くのカイザル号」 「警察犬みたいな呼び方だな。たまには地下(した)で遊ぼうよ。璃都は勉強し過ぎ。もっと俺に構ってくれなきゃ」 「殆ど毎晩、相手をさせられていますが?」 俺が番としての勤めを怠っているみたいな言い方するなよ。 散々喰われてやったじゃないか。 「それはそれ、これはこれ」 「・・・まったく」 結局、午前中はカイとビリヤードをして遊び、午後こそは勉強をしようと固く誓った。

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