23 / 75
第23話*
「ゃ、カイっ、だめ・・・っ」
「りぃ、かわいぃ、いぃこだね、おいしそぉ」
「まだ家着いてないっ!ここ車っ!」
酔っ払いオオカミが俺の頬やら首やら舐めながら、服を脱がそうとしてくる。
お願いだから、せめて家に着くまで大人しくして!
「カイザル様は酔うと無口になられるはずなのですが・・・璃都 様がいらっしゃると、そのようになってしまわれるのですね・・・恐らく、満足すれば寝てしまわれると思いますので、璃都様・・・よろしくお願いいたします」
「ええ?シグマはカイ の面倒・・・んっ、見てくれなっ、あぅっ・・・」
家に着くと、酔ってるくせに足取りはしっかりしてるカイに抱き上げられた。
シグマから「ご武運を」と言う言葉をかけられて、玄関に入る。
・・・俺はどう闘えばいいの?
勝てる見込みある?
「ふふ、りぃ、俺の、おいしそぉなりぃ」
「んっ、カイ、ほら、ベッド行こう。もう寝よう?ね?」
カイは幼児退行ぎみだから、なでなでして寝かし付けちゃおう。
俺を抱いたままだけど、ちゃんと階段上がれるかな・・・。
1階の客室のベッドで寝かせようかな・・・。
「んー・・・りぃはベッドでシたいの?俺はここで食べちゃいたいなぁ」
「はぇ?ちょ・・・まっ、待って、だめだってば!」
靴を脱いで玄関ホールに上がり、俺をオケージョナルテーブルに下ろすカイ。
そして、靴を脱がせる前に、俺のズボンと下着を下ろしてしまった。
「なっ!?」
「りぃは舐められるの好きだよねぇ」
「んぁっ・・・や・・・ここじゃ・・・っ、やぁっ」
酔っ払い変態オオカミが俺のお尻舐め始めた・・・。
しかも・・・執拗 い・・・!
「・・・ゃらあ・・・んっ・・・もぉ、やぁ・・・っ」
「かぁわいぃ。ここ、欲しいって言ってるねぇ。ナニが欲しいか言ってごらん?」
「ひぅ・・・んぅぅ・・・」
言わないとずっとこのまま続けられそう・・・。
だからって・・・そんな事・・・言えない・・・。
「ゃだ・・・いえ・・・な・・・」
「言って、りぃ。大好きなカイのおちんちん欲しいって」
酔っ払い変態オオカミほんとタチ悪いっ!
くそ・・・明日絶対償わせてやるっ!
すっごい我儘言って困らせてやるっ!!
「・・・ほし・・・だぃすき・・・かい・・・ぉちんちん・・・欲しいぃ・・・っ」
「よくできました」
「んっ、ぁああ"っ!」
いきなり深い・・・っ。
ばかばか変態オオカミっ!
「ひぁっ・・・あぅ、んっ」
「はぁ・・・りぃ、かわいぃ・・・っ、りぃ、俺の璃都・・・っ!」
「あっ、あうっ・・・んゃ、ああっ!」
奥を突かれまくって、俺がイって、そのまま膝裏に腕を入れて持ち上げられる。
落とされないようにしがみ付くと、カイはそのまま歩き出した。
「や、まってぇ・・・ぬ、ぬいて・・・っ」
「やぁだ。このまま朝まで抜かない。頑張ろうねぇ、りぃ」
「むっ、むりぃ・・・っ」
カイは抜かないまま階段を上がり、俺は1段上がる度に悲鳴をあげてしまう。
なに、この拷問・・・。
ヤバい・・・変になる・・・。
「んぁっ・・・んっ・・・んぅっ・・・ひぅっ・・・」
「ふふ、階段きもちぃ?」
変態へんたいヘンタイっ!
仕返ししたい!
オオカミやっつけたい!
ヤられっぱなしは嫌だ!!
「ゔぅ、カイの・・・っ、ばかぁっ」
階段を上がりきったところで、オオカ耳をむぎゅっと掴んで引っ張る。
弱点じゃなくたって、耳引っ張られたら痛いはずだ。
なんとか一矢報いたい。
「りぃ、俺の耳好きだねぇ。俺もりぃの耳好きだよ。食べていい?」
「だっ、だめ・・・んぃっ!?」
かぷかぷと耳に噛み付かれ、身体がびくっと反応して、ナカを締め付けてしまう。
あ、だめ、それ、だめ・・・。
「ひぁあっ・・・やぁ・・・っ」
「ナカきゅうってなった。お耳弱いねぇ。かわいぃ」
「やらぁ・・・もっ、ぬぃてぇ・・・っ」
寝室に入りベッドへ押し倒され、キスしながらゆっくり抜き挿しされる。
これ、好き、気持ちい・・・って、とろんとしてちゃだめだ!
酔っ払いオオカミを寝かせなきゃ。
「んっん・・・かい、もぉ・・・」
「ん?もっと奥?りぃは子宮に欲しいのぉ?」
「やぁっ、ちが・・・んゔっ!?」
そこ子宮じゃない、侵入 っちゃだめなとこっ!
俺の腰を固定して、本気で腰を打ち付けてくるカイ。
こうなったら何を言っても、子宮 に射精 すまで止まらない。
シグマは、満足したら寝るって言ってた。
きっと射精 せば寝る・・・そうじゃないと困る・・・!
「んぁあっ、ひぅ・・・んゔぅ"・・・っ」
「りぃ・・・っ、愛してる・・・っ、俺の璃都・・・っ!」
「ぁあ"────っ!」
そこから、俺の記憶は曖昧だ。
───────
「璃都、おはよ」
「・・・んぅ・・・あれぇ・・・朝ぁ・・・?」
「朝になったから、抜いたよ」
「・・・、んなっ!?」
ほんとに朝まで挿入 れてたの!?
嘘でしょ、俺のお尻バカになっちゃう!
「酔っ払いバカオオカミっ!もうお酒禁止っ!」
「ふはっ、ごめんごめん、自重します」
ほんとかなぁ。
それにしても、身体もベッドも大変な事になってる・・・。
俺は力尽きて、カイは満足して、ヤりっぱなしで寝ちゃったんだな・・・。
「お風呂入ろうか」
「ぅん・・・俺、立てないんですけど」
「ふふ、だろうね」
笑い事じゃないんだが?
今日は土曜でカイも休みみたいだし、すっごい我儘言って困らせると誓ったし、さっそく実行しよう。
「抱っこして。お風呂入れて」
「可愛い・・・仰せのままに、お姫様」
俺を姫抱きし、バスルームへ向かうカイ。
そう言えば、この酒弱オオカミは二日酔いとかしないのだろうか?
「カイは、頭痛いとか胃がムカムカするとか、ないの?」
「ないよ」
「へー。シグマが言ってたけど、酔うと無口になるんじゃなかったの?」
「それは・・・酔う度にあの時の記憶が頭の中ループして、暴れ出したいのを抑えるので精一杯で・・・会話なんて出来る状態じゃなかったから、かな」
暴れ出したくなる記憶・・・って、どんなトラウマなんだろ。
聞いてもいいのかな。
「あの時の記憶・・・って?」
「俺に頸 を噛まれた幼い番が泣きながら走って逃げてく記憶」
「・・・それかー・・・」
だって俺、5歳だったし・・・。
血が出る程噛まれたら、恐くなって逃げるの当たり前だよね・・・。
たぶん、本気で食べられちゃうって焦ったんだ・・・。
「責めてないよ。今はこうして俺のモノだし。酔ってあんなに気持ち良くなれたの、初めてだったなあ」
「最初で最後だぞ」
「ふふ、璃都が20歳 になったら、一緒にお酒飲もうね」
弱い癖に禁酒しないつもりか。
そっちがその気なら、こっちも我儘放題するぞ!
「今日は俺が王様です!」
「承知いたしました女王様」
なんで女王に・・・。
まあいいや。
「お風呂出たら朝ご飯はフレンチトーストがいい!」
「かしこまりました」
「食べたら勉強するから邪魔しない事!」
「・・・陛下、フレンチトーストにバニラアイスを添えましょうか」
「早速命令を無視しようとするぅ」
至れり尽くせりのお風呂タイムを終え、スパダリオオカミが作った完璧なフレンチトーストを食べ、勉強しに書斎へ行く事にした。
まだ足元が心許ないので、抱っこをせがもうかと思ったけど、ふと思い出した。
「ねえ、おんぶして」
「ふふ、いいよ」
俺、おんぶってしてもらった記憶ない。
同年代の子たちが親にしてもらってるの見て、羨ましかったけど、施設の人には頼めなかったし。
「・・・おお」
抱っことは違う・・・カイの広い背中にくっついて身を委ねる感じ・・・なんか落ち着く。
「おんぶ・・・いい・・・」
「気に入った?可愛くて下ろせなくなっちゃうな」
「書斎で下ろして」
「ええー」
はいよーカイザル号な気分で、オオカ耳をもにもにしていると、カイザル号はダイニングを出てなぜか階段を下り始めた。
カイザル号よ、書斎は2階だぞ?
「ちょっとどこ行くのカイザル号」
「警察犬みたいな呼び方だな。たまには地下 で遊ぼうよ。璃都は勉強し過ぎ。もっと俺に構ってくれなきゃ」
「殆ど毎晩、相手をさせられていますが?」
俺が番としての勤めを怠っているみたいな言い方するなよ。
散々喰われてやったじゃないか。
「それはそれ、これはこれ」
「・・・まったく」
結局、午前中はカイとビリヤードをして遊び、午後こそは勉強をしようと固く誓った。
ともだちにシェアしよう!

