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第43話*
運転手付きの高級車2台で、大きな神社へ初詣に来た。
さすが有名な神社なだけあって、人がたくさんいる。
玲央 はりっくんと、俺はカイと手を繋いで、賽銭箱前の長蛇の列に並ぶ・・・かと思いきや、社務所へ。
受付をして初穂 料を納め、社殿へ案内されて6人で祈祷を受けた。
「俺、初めて社殿で祈祷してもらった」
「璃都 、足痺れなかった?抱っこしようか?」
「僕、あの鈴をシャンシャンシャンてやられるの、ちょっと苦手なんだよねー」
「耳伏せてれば良かっただろ」
おせちを食べてきたのでお腹はいっぱいだったんだけど、チョコバナナの出店 を見たらチョコバナナの口になってしまった。
店の前を通り過ぎようとするカイの手を引っ張って、2回目の上目遣いを試す。
「カイ、チョコバナナ、買って?」
「今年も俺の璃都が可愛い・・・っ、わかった、店ごと買おう」
「ううん、1つでいい」
「璃都様、遠慮なさらなくていいのですよ」
シグマまでなに言ってんの。
出店ごとなんていらないでしょ。
カイに買ってもらったチョコバナナを食べながら、りっくんと玲央とローを探す。
3人は別の出店で甘酒を買っていた。
「ちょりとも飲むー?って、そんなの食べてぇ、お子ちゃまだなぁ」
「璃都は甘酒が苦手だ」
「うん苦手、だけどなんで知ってんの?」
「カイザルさん、ほんとにちょりとの好み完全把握してるんですね」
確かに・・・でも甘酒をカイの前で飲んだことも、苦手だとも言ったことないんだけど。
「勧められた際の璃都様の反応と、匂いでご判断されているんですよ」
へー・・・って、匂い?
甘酒が苦手って匂いがするってこと?
「璃都様の機微 に敏感でいらっしゃいますから。我々でもここまでは不可能です」
そっか・・・カイは今年も、ちゃんと恐いんだな・・・。
───────
「ただいまぁー」
「着替えようか」
「うんー」
りっくんたちと別れ、初詣から帰宅した。
2階へ上がり、カイと着替えながら、そう言えば1階で過ごしたの初めてだったなと思った。
いつも当たり前のように2階に上がって、1階は使った事なかったし。
「ねえ、1階は使わないの?」
「ん?1階は基本的に来客時しか使わないよ。ゲストルーム使った事あるのも、リシドと玲央くんだけだし。2階は俺と璃都の生活スペースだから、あの2人も入れた事ないよ」
あ、そーなんだ。
りっくんと玲央が泊まりに来たら・・・また飲むんだろうな。
でも、楽しそう・・・。
「今度りっくんたち呼んでお泊まり会しようよ」
「いいよ。リシドにチーズフォンデュを用意させよう」
「チーズフォンデュ?やった!」
前にカイと一緒に買い物に行った時、カイにもピンクの服を着せようと思って買った鮮やかピンクの部屋着を出して、カイに着せる。
・・・イケメンはピンク着てもかっこいいとか、世の中どうなってんだ。
「俺も璃都に新しい服買ったんだ。着て?」
「ん・・・は?なに、これ・・・?」
これ、服?
着ぐるみじゃん!
「迷ったんだけど、やっぱり璃都はネコが似合うかなって思って、黒ネコにした」
無駄に手触りのいいふわふわフリース。
黒いつなぎの着ぐるみパジャマ。
フードにネコ耳、腰にはしっぽ。
・・・あれ、しっぽのすぐ下にチャック?
「ダブルジップだから、前を閉じたまま後ろだけ開けられるよ」
「・・・・・・は?」
なんのため!?
どう考えてもやらしい使い道じゃないの!?
こんなのどこで売って・・・。
「特注して作ってもらったんだ。ねえ、着て?」
「わざわざ着ぐるみパジャマを特注・・・」
まあ、カイもピンク着てくれてるし、仕方ない、黒ネコ着るか。
これ、下にロンT着た方がいい・・・。
「下はなにも着ないで」
「・・・パンツは穿かせて?」
こうして着替えを済ませ、ピンクのカイと黒ネコの俺はリビングへ。
新しくリリースされたゲームをダウンロードして遊ぶことにした。
「ねえ璃都」
「やだ」
「まだなにも言ってないんだけどな。この狩りで先にダウンした方が語尾ペナルティしよう?」
「因みに、どんな語尾?」
「にゃん」
だと思った。
でもこのゲームはカイだって初心者だし、俺にも勝機はある。
だったら・・・。
「いいけど、カイが負けたらクローゼットにあった鈴付きの首輪して語尾にゃんだからね」
「あれ、見つかっちゃった?」
いや、あれで隠してたつもり?
普通に置いてあったけど?
絶対に生き残って、ハイイロオオカミをハイイロネコにしてやる・・・!
「うわ・・・ちょ、回復間に合わない・・・っ」
「璃都は大剣じゃなくて双剣の方が良かったんじゃない?はい、回復したよ」
「だってこっちのがかっこよ・・・ああっ!むりムリ無理っ!待ってムリ!」
「ふふ、モンスターも璃都が好きなのかな。璃都にばっかり向かって行くね」
「わかってるならカバーしてっ!」
最初はカイに鈴付き首輪をするために頑張ってたんだけど、いつの間にかそんな事忘れて必死になってた。
モンスターも倒して、素材の剥ぎ取りもして、新しい装備を作って・・・。
「次の狩りはこのクエスト行こう」
「大丈夫?」
「この素材欲しいから行く。装備も新しくしたし、大丈夫!」
・・・・・・じゃなかった。
カイもかなりカバーしてくれたけど、モンスターの予測不能な一撃で、ぱったりとダウンしてしまった。
「うにゃあああーっ!」
「早速ペナルティに従ってくれてるね」
「くっそーぉ・・・」
「語尾」
「・・・にゃん」
悔しい・・・欲張ったせいだ・・・俺としたことが・・・。
しかも、こんな格好で語尾ににゃんとか・・・屈辱・・・。
「璃都」
「・・・にゃん」
「ふふ、可愛いお返事。もうひと狩り行く?」
「行くにゃ!次はカイが先にダウンする番だにゃ!」
「お供感が出て余計可愛い」
カイをダウンさせれば、カイに鈴付き首輪を着けられる。
なんとしても、カイをダウンさせて・・・。
「もおおーっ!にゃああーっ!」
「ふはっ・・・ふ・・・くく・・・っ」
「笑うにゃあーっ!」
結局また、俺が先にダウンした。
うわあああーっ!
悔し過ぎるっ!!
「おいで、ネコちゃん」
むぅ・・・っかつくうぅ・・・っ!
手に持った鈴付き首輪を指でくるくるするなっ!
渋々、カイの傍に行くと、腕を引かれて膝上に座らされる。
そっと首を撫でられ・・・。
「・・・んっ」
ちうっと、しっかり痕が付くキスをされる。
その上に、小さな鈴が付いた、細身の赤い首輪を着けられた。
カイが指で、ちりんと鈴を鳴らす。
「俺の可愛い可愛い黒ネコ」
「・・・へんた・・・んぅ・・・っ」
キスで口を塞がれ、フリースの上から身体を撫でられる。
パジャマに付いてるしっぽを弄られて、そのすぐ下にあるチャックに手がかかった。
「んんっ・・・ぁふ・・・ゃん・・・っ」
ぢー、とチャックを開ける音がする。
中に手を入れられて、パンツをずらされて、指で撫でられて・・・。
「んぁ・・・っ」
ちりん、と首輪の鈴が鳴る。
「ふふ、可愛い」
・・・やだ、なんかやだ。
この鈴、やだ。
「はずし・・・ゃあっ」
「ん?なに?」
「くび・・・んぅっ・・・すず、やぁ・・・っ」
「鈴やなの?でも鈴付けとかないと、俺のネコがドコでイったかわからないでしょ」
違う、どこに、行ったか、だろ!
てにをはが違うとヘンな意味に聞こえるから!
「ぁうっ・・・んく・・・ひぁっ」
指が・・・ナカのきもちいトコをぐりってして、また鈴が鳴った。
うう、ちりんちりん煩いなっ!
身体が勝手にびくびくなるのは仕方ないんだから、いちいち鳴るなよおっ。
「璃都が感じてるの、鈴のおかげでわかりやすくていいな」
「よ・・・く、ない・・・っ」
「指じゃヨくない?じゃあ、璃都のナカに挿 れて?」
「ひあっ!・・・んぁあ・・・っ」
ずぶん、と貫かれて、奥にあたって鈴が鳴って、フリースの内側に吐精 してしまう。
うう・・・もぉ汚しちゃった・・・。
「璃都が先に中出ししちゃったね?」
「ちが・・・ひぅ・・・っ」
カイがフリースの上から前を触り、ぬちゅって感覚に腰が震える。
や、やめろ、揉むなっ!
気持ち悪いぃ・・・っ。
「やら・・・さわん、なぁ・・・っ」
「ごめんごめん、こっちじゃなくてお尻の方が好きなんだもんね。ナカでイかせてあげるから怒らないで」
「ぅあ"っ!」
カイを跨いでソファの上に乗ってた膝裏に、カイの腕が入ってきて持ち上げられた。
そのせいで、ぐぽんと奥にカイのが侵入 る。
突き上げられる度 、鈴がちりんちりんと鳴き喚 く。
「あんっ・・・や、おくぅ・・・やら・・・んぅう"っ」
「ネコちゃんの子宮に・・・種付けしてあげる・・・っ」
動物虐待だぁ・・・っ!
「ぁあ"っ・・・んぅ・・・ひぐ───っ」
「璃都・・・可愛い・・・っ、俺の璃都・・・っ」
こうして、特注の黒ネコ着ぐるみパジャマは、ぐっちゃぐちゃに汚れてしまうのだった。
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