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第55話*

まるで檻だ。 ベッドに仰向けになった俺の、顔の左右に両手を突いて、俺を見下ろしながら腰を打つカイ。 こんな状態から逃げられる訳ないだろ・・・っ! 「ひぁっ・・・あっ、んんっ・・・ふぁ・・・っ」 「もう降参?逃げなくていいの?終わらないよ?」 逃がす気ない癖にっ! こっちは腕力でもスピードでも全く敵わなくて、最初からほぼされるがままになってんだぞ。 「抵抗するの可愛くて、頑張ってるのに簡単に抑え付けられちゃって・・・やっぱり興奮する・・・っ」 「・・・ゃ・・・んあ"っ!」 ソコ()れんなぁっ! こいつ、自分が興奮したくて俺に無駄な努力させたな・・・。 「へんた・・・っ・・・ぃじわ・・・ぅゔっ」 「ふ・・・っ、かわい・・・っ」 奥にナカ出しされて、俺もイって、ぐったりして・・・。 このまま寝ちゃおう。 そしたらカイが風呂に入れてくれてベッドも綺麗にして、寝かせてくれるだろ・・・。 「・・・ふぇ・・・?・・・んぐっ!?」 ごろっとうつ伏せにされて、上から体重をかけて貫かれた。 ・・・し、しぬ・・・。 「終わらないって言ったでしょ。寝かせてなんてあげないよ?」 「やぁ・・・なんれぇ・・・おれ、わるいことしてないぃ・・・っ」 抗議する俺を嘲笑うように、ぐりぐり腰を押し付けながら(うなじ)をねちねち噛みかみするカイ。 それやめてぇ・・・。 「璃都(りと)はいい子だよ。悪いのは俺だね。璃都吸いし過ぎたせいかな」 「もぉ吸うなぁ・・・っ、おれが減るぅ・・・っ」 「じゃ、いっぱい食べさせて増やそ」 それ、ヘンゼルとグレーテル的な? 太らして食べる気? オオカミじゃなくて魔女なのか? 「ひあっ・・・ん"ぅ・・・」 「ナカ痙攣してる、気持ちいいね?」 「やら・・・も・・・いっ・・・てぅゔ・・・っ」 イってるのにナカぐりぐりされんの、気持ち良すぎて変になるから嫌なのに。 わかってて、やめてくれない。 しかも・・・今・・・ちょっと、いや、かなり・・・ヤバい・・・。 「んゃ、ぬいてっ、おねが・・・っ、んゔ・・・っ」 「そんなお願い、聞いてもらえると思ってる?」 そうじゃない。 今だめだから。 緊急事態・・・! 「・・・ぃれ・・・いきた・・・っ」 「・・・ああ、おしっこしたいの?」 「んひっ!?」 後ろから()れられたまま、膝裏に手を入れて抱き上げられた。 ・・・まって、この体勢はだめだ。 だって、これ・・・。 「このまま、お風呂に行こうね」 「やらっ!といれぇっ!ぬいてってばぁっ!」 「もう少し我慢できる?あ、おちんちん押さえてるの?可愛い」 変態へんたいヘンタイっ! 俺の自尊心をまたぐっちゃぐちゃにする気かっ! 「ひ・・・むり・・・ぉねが・・・やぁ・・・」 「ふふ、泣いちゃった。いいな、堪らなく興奮する」 「ひぎゅ・・・っ、や、かむ・・・なぁ・・・っ」 番の醜態に興奮したオオカミが、()れたまま歩きながら、頸を噛む。 こっちは、もぉ限界近いのに・・・っ。 我慢しようと力むと、ナカのカイを締め付けて、それがまた刺激になって・・・悪循環に頭がオカシクなりそう。 「ふぇ・・・も、やらぁ・・・れちゃ・・・」 「うん、お風呂着いたよ。おしっこして?お漏らし見せて?」 「んぅぅ・・・へんた・・・っ、ひぁぁ・・・ぁ・・・ぁ」 しょろろ・・・と、我慢していたおしっこが弧を描き、バスルームの床を汚していく。 最悪・・・きもちぃ・・・恥ずかしい・・・止まんない・・・。 「はぁ・・・っ、璃都可愛い・・・おしっこ出たね。気持ち良かった?」 こんな、子どもにさせるみたいな格好で、ナカ()れられたまま、おしっこしちゃった・・・。 しかも、全部カイに見られながら・・・。 「ぅあぁ・・・ふぇっ・・・ぇぐ・・・ひっ・・・ぅゔゔっ」 「本気で泣いちゃってるな・・・ごめん璃都、泣かないで。ごめんね」 ずる・・・ってナカから熱が抜かれて、カイがシャワーのお湯で身体も床も流してくれた。 それから、向かい合わせでぎゅって抱きしめてくる。 「少し落ち着いたかな。よしよし、もう虐めないよ。寝室出たから璃都の勝ち。なんでも好きなメニュー言って、作るから」 「・・・っ・・・ぉ・・・れつぅっ」 「オムレツね。ほうれん草とチーズ?」 「・・・んっ」 キスされながらバスタオルで丁寧に拭かれ、部屋着を着せてもらう。 カイもスウェットを着て、俺を抱き上げてキッチンへ。 カウンターチェアに下ろされ、リビングのソファから持ってきたクラゲクッションを与えられた。 クラゲをぐにぐにしていると、目の前にハーブティーが。 「はい、これ飲みながら待ってて」 「・・・ん」 ハーブティーをちびちび飲みながら、エプロンをして手際よく料理をする変態意地悪オオカミを眺める。 ・・・これが、かつて部屋を地獄と化した暴れオオカミなのか。 ちょっと可哀想になってよしよししてしまったばっかりに、酷い目に遭ったな。 「少しは機嫌直してくれた?」 「・・・まだ」 「ロールキャベツも作るから」 「トマトスープの?」 「うん」 それなら、ちょっとは・・・。 左手でカップを持ちハーブティーを飲みながら、右手でクラゲをぎゅむぎゅむ握っていると、カイがそれを見て笑った。 なんだよ? 「子ネコがミルク飲む時みたいだね。クラゲだけじゃなくて、俺にもふみふみして欲しいな」 「ふみふみじゃなくてぐにぐに。カイは筋肉質だからぐにれない・・・けどオオカ耳はもふもふしたい」 「この耳を持って生まれてきた事を心底喜ばしく思うよ」 ─────── 「番尊厳保護法ってない?」 『・・・なんだそりゃ』 夕食の後、リビングのソファに横になったカイの上に跨いで座り、ハンズフリーで玲央(れお)に電話をかけている。 「俺の尊厳を守る法律ないの?」 『・・・あー、まさか腱を切られたりしたのか?』 「そしたら先に救急車呼んでるっ!」 思わず、カイの腹の上に置いたミズクラゲクッションをぐにぐにぐにっと両手で捏ねた。 電話をかける条件として、カイの上でふみふみさせられてるんだけど、これ、カイは苦しくないのかな。 『だよな。そうやって元気に電話してこれるって事は、無事って事だしな。因みに、どんな風に尊厳を踏み(にじ)られたんだ?』 「それは・・・えっと・・・」 ぐにぐにふみ・・・。 『・・・またトイレ行かせてもらえなかったのか』 「なんでわか・・・もしかして玲央も・・・?」 『先輩舐めんな。今回も風呂場か?』 「そうだけど・・・」 ふみぐにふみふみ・・・。 『なら、まだいい方だ。その内もっとレベルの高いプレイを強いられ・・・』 「聞かなきゃ良かった」 ふみふみふみふみ・・・。 『で、今は何してんだ?』 「夕飯食べて、リビングでカイの上に乗って、ふみふみを強要されてる」 『ふみふみ?え、なに、俺の知らない特殊プレイ?』 「ちが・・・うと言えるのかわかんない」 ふみふみ・・・もふもふ・・・。 『いやまじでナニさせられてんの?』 「ネコ、ふみふみ、で動画検索して」 『あー、ペットプレイか』 「プレイとか言うなっ!」 もふもふもふもふもふも・・・。 「璃都、ほんと俺の耳が好きなんだね」 「ふみふみよりもふもふの方が好き」 『は?なに?』 「あ、ごめん、カイと喋ってた」 『なんだ、仲良くやってんならいいじゃん。・・・あ、シド帰ってきた。・・・ん?ちょりと・・・いや、守秘義務・・・はいはいお帰り・・・んんっ・・・』 ・・・あ、電話切れた。 「どうしたの?」 「りっくん帰って来て、電話切れた」 「そう。じゃあ、ふみふみ再開して?」 カイが俺の耳からヘッドセットを外し、テーブルの上に置いた。 え、まだふみふみやんの・・・って、スマホ構えんな。 「このサービスは動画撮影禁止です」 「10分でいいから」 「長いっ」 「じゃあ5分」 いや長いって。 結局、30秒間ふみふみする動画を撮影される事になった・・・。

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